マツムシソウの名前の由来は、マツムシの鳴く頃に咲くからであるとのこと。真偽の程は別として、初秋を感じさせる花である。
マツムシソウは多年草であり、ロゼットを形成する。生育地ではロゼットの個体が多く、開花に至る個体は多くはないようである。直根が深いとのことで、タンポポのように太い直根を持つロゼットで厳しい立地に生育し、開花に至るまでは相当の年月を必要とするのではないかと思う。ロゼットの葉は羽状に分裂しているが、それぞれの裂片は大きい。茎葉は深裂し、細長い。葉の表面と縁には毛がある。裏面には短い毛が密生し、脈上には長毛が散生する。葉の質は結構丈夫で、軽い踏みつけには耐えるのではないかと思う。
本来の生育地はどんなところであろう? と探してみると、傾斜45度を超える急傾斜地の露岩のそばに点々と開花しているのが見える。このような、積雪と雪崩のあるような急傾斜地では樹木の生育がほとんどなく、マツムシソウも生育が可能と思われた。温暖化が進行すると積雪が少なくなり、樹木が定着してこのような植物の生育は困難になるのではないかと思う。
薬効・用い方
有効成分は、イリドイドのロガニン、スエロシッドを含有していて、血液の流れを促し、血管内の血小板凝集を抑制する作用が認められている
脳血栓、心筋梗塞の予防などに、乾燥した全草を1日量10~20グラムを水0.4~0.6リットルで煎じて、3回に分けて食後に温めて服用するという
【参照先不明】
