春の味覚・山菜の秘められたパワー

出典:ヒトサラ

 

山菜の「苦味」も大事な栄養素

 山菜は山野に自生する植物の総称で、特徴的な苦みやえぐみ、すなわちアクがあります。このアクには、抗酸化作用や新陳代謝を活発にするなど、さまざまな健康によい成分が含まれていることが近年の研究で明らかになってきました。

 食養生の格言に「春は苦みを盛れ」というものがあります。冬のあいだに蓄積した老廃物を山菜の苦みが体内から取り除くといわれており、古来青菜の少ない季節の貴重な栄養源でありました。そのアクの主成分が抗酸化作用を持つポリフェノールです。山菜によって異なりますが、ミネラルやビタミンも豊富に含みます。

豊富な栄養素をもつ山菜たち

  • フキ、フキノトウ
  • ウド
  • タラノメ
  • ワラビ
  • ゼンマイ
  • ウルイ(4~6月)
じょうずなアク抜きと調理でおいしくいただく

 アクは山菜パワーの源ではありますが、苦みが強すぎてそのままでは食用に適しない場合が多くあります。フキノトウ、タラノメ、コシアブラなどアクの弱い山菜は、湯通しするか、塩を入れたお湯でゆで、冷水にさらしてから水気を切ります。アクの強いワラビやゼンマイなどは、重曹か木の灰を加えてゆでます。そのまま冷まし、きれいに水洗いします。

 水溶性のビタミンやミネラル、ポリフェノール、うま味はゆでて水にさらすと失われてしまいがちです。アク抜き後の調理の加熱や処理は必要最小限にしましょう。てんぷらは揚げることでアクが抜けるのでアク抜き不要。山菜の魅力をあますことなく味わえるオススメの食べ方です。