かぼちゃの収穫は「品種」で効率化!

出典:マイナビ農業

 

 かぼちゃの収穫は特に重労働だ。国産かぼちゃへのニーズは高まっているものの、都道府県別のかぼちゃシェアNo.1を誇る北海道ですら、収穫の人手不足が主な原因で生産量は減少傾向にある。かぼちゃ自動収穫機が開発されているが、まだ市販には至っていない。そこで一部の生産者が取り入れているのが、収穫を効率化できる「短節間性かぼちゃ品種」だ。

— 短節間性かぼちゃ品種は収穫を含めた作業を効率化する —

 平安座さんが栽培しているのは、朝日アグリアが販売している「マロンスター139」という短節間性かぼちゃ品種だ。

 そもそも短節間性かぼちゃ品種とは、特に生育初期に節間が詰まる性質である「短節間性」を示すもので、側枝数が少ない。摘心、整枝、誘引といった作業が不要となるうえ、果実が株元近くに付きやすいため果実を見つけやすく、収穫を効率化できる。

 日本で広く栽培されている主要かぼちゃ品種の多くは”つる性”を示し、圃場一面につるを伸ばす。果実は長く伸びたつるの途中につくため、株により着果位置がバラバラになり、収穫時の果実を見つける作業に時間がかかる。着果位置が揃うという特性は、将来的に実現するであろう、機械収穫にも適している。

 もともとは収穫の効率化ではなく、作りやすさや管理のしやすさに着目して導入した。作り始めてみると、風に強く栽培しやすいことが分かったと言う。

 「もちろん、収穫の効率化も実感しています。株元に着果しますから、収穫時に移動する距離が少なくてすみ、収穫しやすいのです。果実を見つけやすいのも、収穫の効率化に役立っています」と、平安座さんは成果を話してくれた。

「短接間性かぼちゃ品種は、収穫の効率化のほか、栽培管理作業全般の省力化、いわゆる放任栽培が可能となります。それに密植が可能ですから、安定した多収も実現します。弊社は『マロンスター139』だけでなく、生産者の声に応えて、『栗のめぐみ1号』・『栗のめぐみ2号』を農研機構北海道研究センターと共同開発して、各産地へ推進中です」