[リンゴのきもち]食べ比べて 未来考えた

「食べ比べよう!『丸葉と高密植』2025」

 同じ品種でも栽培法が違えば食味も変わるーー。生産現場でそんな話題が飛び交った青森リンゴ植栽150周年の師走、トップ産地・弘前で本紙年間企画「リンゴのきもち」の関連イベント、「食べ比べよう!『丸葉と高密植』2025」が開かれた。リンゴのプロたちが審査員としてどちらの栽培法か知らされずに食味を数値と言語で表し、来場者が好きな方を選択。共にリンゴの未来を考えた。

 比較の手法は、弘前市の「まかなえ果樹園」の同じ畑にある丸葉栽培と高密植栽培の「ふじ」を同日に収穫し、同じCA貯蔵庫に1カ月間保管。14日、同市りんご公園で一口大にカットし、皮付きのまま食べ比べた。

 審査員は、双方の栽培法を手がける生産者をはじめ、全国で剪定(せんてい)技術の指導に当たる技師、高密植栽培の普及を図る研究企業の役員、JAの栽培指導担当者、県産全品種を扱う移出業者、「ふじ」育種や日本の風土に合ったわい化性台木を開発した元農水技官ら30~80代の男女9人。

 会場には県内を中心に家族連れなど70人が訪れ、日本の春から夏にリンゴの輸出攻勢をかけるニュージーランドからのリンゴ愛好者が飛び入り参加した。

 審査員はまず、甘さ、酸っぱさ、シャキシャキ感、ジューシーさ、味の濃さの5項目で点数評価。個人間で評価のばらつきがあったものの、9人の平均値は5項目全てで丸葉が高密植を上回った。

 言語化でも、丸葉が「甘酸適和」などと高く評価される半面、「食べるほど分からなくなる」との戸惑いもあった。栽培や剪定技術に長けた審査員からは、高密植では灌水設備の有無も味を左右したり、双方とも適期収穫でおいしさが変わったりするとの指摘があった。丸葉は「じっくり味わいたい」時、高密植は「たくさん食べたい」時など、状況に応じたニーズを考えさせる感想もあった。

 一方、来場者の「好み」は双方ともほぼ同数となり、「それぞれのおいしさ」が認められた。選択理由を記したノートには、丸葉は「全体的に味が濃い」「歯応えがある」などで、高密植は「皮が薄い」「さっぱりしていて食べやすい」との感想が目立った。

 会場からは「同じ品種で味が変わるとはびっくり」「もっと食べ比べをしたい」などの声が多く聞かれた。

 
出典:日本農業新聞