まずは毎日「みかん1個」食べるだけでいい

血管のボロボロ化を防ぎ、血圧も下げる”最強フルーツ”
1日100gの果物が血管を守る

 近年、日本人のフルーツの摂取量が落ちています。値段の高騰や皮を剥くのが面倒になったなど、その理由は様々です。

 しかしながら、フルーツには、血管をしなやかに保つ効果や老化防止、水分補給など、高齢者にとってもたらされる様々な恩恵があります。

 フルーツには体内の余分な塩分を排出するカリウムが多く含まれています。そのため、高血圧症の予防のためにも野菜と同様にフルーツを摂ったほうがいいのです。また、フルーツには食物繊維が多く含まれているので、腸内環境が改善され、便秘の解消につながります。

 その上、フルーツから摂れるビタミンは抗酸化力が強い。そのため、免疫力の向上やがん予防にもつながります。そして、なんといっても動脈硬化の予防など、しなやかな血管を作るために欠かせない栄養素がたくさん入っているのです。

 まずは1日に食べるべきフルーツの量から考えてみましょう。厚労省が始めた国民健康づくり運動「健康日本21」では、フルーツの摂取目標量を1日200g(可食部)としています。ただこの数字はシニアにはハードルが高いのも事実。そこで参考にしたいのが、WHOの基準です。そこでは、野菜とフルーツを合わせて1日に400gの摂取が推奨されています。

 これをシニアにちょうど良いバランスで考えると、野菜が300gで、果物が100gほどでしょう。みかんなら1個が約100g。りんごの場合なら1個が約200gなので、半分が目安となります。

バナナには血圧を下げる効果がある

「フルーツに含まれる果糖を摂り過ぎると、糖尿病になる」という説を唱える人もいます。たしかに糖分の摂り過ぎは、糖尿病になる可能性がある。しかし、みかんを1日に5個も6個も食べるような極端な生活をずっと続けていれば別ですが、毎日1個のみかんを食べ続けるくらいであれば何も心配することはありません。

 では、毎日食べて欲しいフルーツを紹介していきましょう。まずはバナナです。

 バナナは、カリウムが豊富で、血圧を下げる効果が期待できます。さらに、ビタミンB2は、血流を良くする効果があり、毛細血管の機能を正常に保つとされています。また、脳の活動に必要な糖質や、神経伝達物質の合成を助けるビタミンB6も含んでいます。

 バナナ100g(可食部)あたりのカリウムの量は360mg。厚労省「日本人の食事摂取基準」(2025年)では、カリウムの摂取目標量は成人男性が3000mg/日、成人女性は2600mg/日です。

 皮がついた状態のバナナの重量は品種や大きさにもよりますが、概ね200gです。皮を剥くと、一般的に120〜150gの重さとなるため、1本あたりのカリウム量は430〜540mg。

 バナナ2本で1日に推奨されるカリウムの約3分の1〜約4分の1が摂取可能です。1日100gの果物の摂取目標もクリアしやすいでしょう。

メロンが持つ意外な健康効果

 フルーツは旬に味わうことも忘れてはいけません。栄養価も高く、値段も手ごろだからです。

 春はいちごの旬の季節。いちごにはビタミンCが豊富です。免疫力の向上が期待できるので、季節の変わり目で風邪をひきやすい人にはもってこいです。さらにシミやシワなどの予防にも効果的です。赤血球の生成を助けて、貧血予防になる葉酸もたくさん含まれています。

 いちご(生)のビタミンC含有量は、100gあたり62mg。厚労省によれば、15歳以上のビタミンCの1日の摂取推奨量は、100mgです。いちご1粒の重さは一般的に15gと言われます。6〜7個のいちごを食べることで、十分なビタミンCを摂ることができます。

 夏にはフルーツ四天王が旬を迎えます。桃、ブルーベリー、メロン、スイカの4種です。

 桃は食物繊維が豊富で、柔らかく消化もいいので食べやすい。血流改善効果があるビタミンEも含まれています。桃の100gあたりのビタミンE(α‐トコフェロール)の含有量は、0.7mg。1日あたりのビタミンEの目安摂取量は、男性が6.5〜7.5mg、女性は5〜7mg。桃1個(200g)で、1.4mgのビタミンEが摂れます。

 ブルーベリーは抗酸化力の強いアントシアニンを含みます。よく知られていますが、目に良いフルーツでもある。

 いずれもウリ科のメロンとスイカは、それぞれ特徴があります。メロンはカリウムとβ‐カロテンが豊富。β‐カロテンは体内でビタミンAに変換されますが、皮膚や粘膜を丈夫にして、動脈硬化の予防に効果があると言われています。

 一方でスイカはほとんどが水分で、高齢者の水分補給に役立つ。スイカには、アミノ酸の一種であるシトルリンが含まれます。シトルリンには血管を拡張させる効果があります。

梨とリンゴは動脈硬化予防になる

 実りの秋は様々な果物が出回ります。中でも、梨には注目の栄養素であるソルビトールが豊富です。

 これは糖アルコールの一種で、虫歯予防に効果があるのです。虫歯の菌が血液へ流れ込むと、血管に炎症を引き起こして動脈硬化の原因になるので、梨を食べて予防をしましょう。

 ぶどうも忘れてはならないフルーツです。ぶどうは抗酸化力の強いポリフェノールがたくさん含まれており、血管の老化を防ぐ効果があります。血管を若々しく保つ助けとなって、血流を良くする。また、ポリフェノールには、LDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑制する働きがあるので、動脈硬化予防に役立ちます。

 ワインが血管にいいという話は知られています。この説自体は間違いではないのですが、アルコールとして摂取するよりも、フルーツのぶどうを食べる方がよりよいでしょう。ぶどうは品種にもよりますが、1房200gほどとすると、半分くらいが1日の適量と言えます。

 冬が旬のフルーツといえばりんごとみかんが欠かせません。りんごに含まれるりんごポリフェノールは、ぶどうと同じで抗酸化力が強く、動脈硬化の予防にうってつけ。りんごポリフェノールの一種「プロシアニジン」は疲労回復と消化促進に効果があります。

 冬のフルーツの王様である温州みかんの栄養価は高齢者にとって大変魅力的です。温州みかんに多く含まれるカロテノイドの一種、β‐クリプトキサンチンは強力な抗酸化力を持っています。

 さらに、骨を形成する細胞を活性化するので、骨粗鬆症の予防にも役立つ。その上、インスリン抵抗性の改善作用があるため糖尿病予防にもなるという優れものです。

 
出典:Ppresident online