ブロッコリーの新芽「ブロッコリースプラウト」由来の成分を長期間摂取すると、高齢者の認知機能の低下を抑えられる可能性があることが分かった。弘前大学大学院医学研究科バイオメディカルリサーチセンターの伊東健教授と食品メーカー「カゴメ」(本社・名古屋市)を中心とする研究グループが5日、研究成果を発表した。認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)を含む高齢者を対象に3年半にわたって調べた研究で、植物由来成分が脳の健康維持に役立つ可能性を示した。
研究グループが注目したのは、ブロッコリーなどアブラナ科の植物に含まれる成分「スルフォラファングルコシノレート(SGS)」。SGSは体内で抗酸化作用や炎症を抑える働きがあるとされる。これまでの研究でも、健康な高齢者を対象とした比較的短期間の試験で、認知機能に良い影響を与える可能性が指摘されていた。しかし、MCIの人を含む高齢者を対象に、長期間にわたる効果を調べた研究は少なかった。
研究グループは県内の63~90歳の男女26人を対象に試験を実施した。無作為に二つのグループに分け、一方のグループにはSGSを含むサプリメントを、もう一方のグループにはSGSを含まないサプリメントを毎日摂取してもらった。どちらを飲んでいるかは参加者にも研究者にも分からない方法で行われた。試験期間中には、希望する参加者に運動プログラムを提供した。
認知機能の評価には、記憶力などを測定する検査「あたまの健康チェック」を用い、結果を「MPI(認知機能指数)」という数値で比較した。その結果、SGSを摂取したグループは、摂取していないグループに比べ、3年半の期間を通じて認知機能のスコアが良好な状態で保たれる傾向が確認された。特に、研究開始時にMCIと判定された参加者では、試験終了時点で、認知機能維持の効果がよりはっきりと示された。
研究グループは「日常的にSGSを摂取することが、認知機能の低下リスクがある高齢者、特にMCIの段階にある人にとって、脳の健康を保つ方法の一つになる可能性がある」とし、「今後はさらに研究を進め、食事や栄養成分による早い段階からの認知機能低下への対策が、健康寿命の延びにどのように役立つのかを詳しく調べたい」と話している。
研究成果は1月、栄養学分野の国際的なオンライン学術誌「Frontiers in Nutrition」に掲載された。
出典:Web東奥

