誰もが知っている通り、果物の摂取は健康的な食事の基盤になる。果物は、私たちの体が健やかに生きるために必要なビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質を豊富に含んでいる。さらに、果物を摂取すると数多くの健康効果につながることがデータで繰り返し示されている。心臓病、脳卒中、2型糖尿病、特定のがんを含む多くの慢性疾患のリスク低下もその一つだ。
長い間、新鮮な果物こそが栄養の最高水準だと考えられてきたけれど、必ずしも優れた選択肢と言えるの? 新鮮なフルーツと冷凍フルーツの議論は継続していて、その双方に妥当な言い分がある。今回は、自分の健康とライフスタイルに合ったベストな選択ができるよう、それぞれの栄養価、メリット、リスクを掘り下げてみた。
シャキシャキのりんごやジューシーな完熟の桃を口に入れる瞬間は、まさに至福のひととき。新鮮な果実の味、食感、香りといった感覚体験は、何事にも代え難い。そのうえ美味しいだけでなく、新鮮なフルーツは栄養の宝庫だ。収穫後市場に卸され、ビタミンや食物繊維をすぐに提供できる状態で店頭に並ぶ。お出掛けにバナナを持って行ったり、爽やかなおやつにメロンをスライスしたり、その手軽さは大きなメリットの一つ。新鮮な果物は解凍や下処理が不要で、簡単に栄養を補給できる魅力的な選択肢と言える。
たくさんの魅力がある一方で、新鮮な果物にも欠点がある。最大のデメリットは保存期間が短く、コストがかかること。新鮮なフルーツは傷みやすく、一定の期間内に食べないと食品廃棄につながってしまう。この腐敗はお財布への打撃になるだけでなく、摂取できた栄養素の損失にもなる。
そのうえ、新鮮なフルーツの栄養価は収穫直後から低下し始める。輸送中または保管中に熱や光、酸素にさらされると、特定のビタミンが分解される。つまり「新鮮」なフルーツがキッチンに到達する頃には、すでに栄養価が低下している可能性がある。しかし、これらの変化があったとしても、新鮮な果物は依然として栄養価が高い選択肢ではある。もう一つ障壁となりやすいのは、その価格。とくに旬の時期以外だと値段が高くなる可能性がある。
食品の安全性も考慮すべきポイント。カット済みや包装済みの生鮮フルーツは便利である一方で、追加の加工や取り扱いが発生していることから、サルモネラ菌やリステリア菌といった食中毒菌による汚染リスクが高まる。家庭で適切な洗浄と安全な食品の取り扱いを行えば、これらのリスクを軽減し、新鮮な果物を安全で健康的な選択肢とすることができる。
新鮮な果物に代わる魅力的な商品を提供している冷凍食品コーナー。冷凍用に収穫される果物は、一般的に栄養価がもっとも高い完熟時に摘み取られる。その後、すばやく洗浄、湯通し、急速冷凍され、この工程によりビタミンやミネラルが封じ込められる。
つまり、冷凍フルーツは生鮮品と同等の栄養素を含み、長距離輸送後店頭に数日間陳列されたフルーツよりも豊富な栄養素を含む場合さえある。生鮮および冷凍フルーツのビタミン含有量を比較したある研究では、ビタミンCやビタミンEなどの栄養価は通常ほぼ同等であり、一部の場合において、いちごやブルーベリーの冷凍サンプルでは生鮮品よりも栄養価が高いことが発見された。またリボフラビン(ビタミンB群)やβ-カロテンの値も、冷凍過程で十分に維持されていたという。
冷凍アプリコットと生アプリコットを比較した別の研究では、冷凍アプリコットのほうが抗酸化物質、βカロテン、フェノール類の含有量が生鮮品よりも著しく高いことが判明した。冷凍アプリコットは3か月の保存後でもこれらの優れた栄養価を維持し、ビタミンCの含有量は生鮮品と比べて数千倍も高い状態を保っていた。
さらに冷凍フルーツは非常に便利で、種類によっては生鮮品よりもコスパがいい場合がある。冷凍品は保存期間が大幅に長く、食品廃棄を減らし、スムージーやオートミール、焼き菓子用に栄養価の高い食材をストックできる。そのうえ一年を通じていつでも入手できるので、真冬でもお気に入りのベリー類を高い値段を払うことなく楽しめる。
では、生と冷凍のフルーツはどちらがより優れているの? 実際のところどちらも素晴らしい選択肢であり、「ベスト」な選択は個人のニーズやライフスタイルによって異なる。旬の時期に地元の地域で収穫された新鮮な果物が理想的である一方で、冷凍果物は利便性が高く完熟時の栄養素が封じ込まれている。どちらを選ぶにしても、定期的に食べると数多くの健康効果につながる栄養豊富でおいしい食品を選択することになる。
アメリカ人の約90%が野菜と果物の推奨摂取量を満たしていない現状において、食事により多くの果物を取り入れることは(生や冷凍、または100%果汁のジュース一杯でも)、健康な体を支えるシンプルで効果的な方法になる。
出典:ELLE

