トランプ関税が大きく世間をにぎわせた、2025年。対米輸出を控える動きが出るのではないかという心配をよそに、輸出額を伸ばしている商品があります。それは、抹茶をはじめとする「緑茶」です。
財務省の貿易統計によると、2025年の緑茶輸出額は、前年比98.1%増の721億円。6年連続で過去最高額を更新しているとのことです。
アメリカでは、緑茶の名称よりも「Matcha(抹茶)」として親しまれ、苦みのある味わいに砂糖とミルクを合わせた抹茶ラテが人気です。その浸透ぶりは、海外のオンラインコミュニティでもうかがえます。
「私の娘は抹茶ラテを飲むのが大好きで、クリスマスプレゼントに抹茶パウダーを欲しがっているんだけど、どこで買えますか?」
日本人からしたら、なんて渋いクリスマスプレゼントなんでしょう(笑)。
それに対して「『Ippodo』のウェブサイトで買えるよ」といった具体的な購入先が複数寄せられており、京都に本店を置く一保堂茶舗のウェブサイトにアクセスしてみました。
すると、アメリカ・カナダ客向けの英語サイトが整備されており、価格はドル表記。送料39ドル(約6000円)を払えば、日本から商品を送ってくれるとのことです。
アメリカでは以前から、スターバックスが抹茶ラテを販売。また、抹茶ソフトクリームや抹茶パフェなどが楽しめる抹茶専門店もあります。ただ、これまでは一部の抹茶好きから、熱狂的な人気を集めていた印象でした。
ところが、ここ数年で一般大衆向けのスーパーマーケットにも抹茶が陳列されるようになり、これまで以上に人気が高まっています。
アメリカ版Yahoo!ニュースの記事(2025年10月掲載)では、世界的な需要の高まりにより日本産抹茶の生産が追いつかず、価格が高騰する可能性を指摘。中国産の着色料を使った、低品質のものが多く出回る懸念があると報じられていました。
緑茶や抹茶は「日本産に限る」とこだわるのは、アメリカ人だけではありません。ある在米中国人女性は、2年前に日本を旅行した際、英語ガイド付きの茶摘みツアーに参加しました。日本に行ったら絶対に経験したい“ウィッシュリスト”のひとつだったそうです。
そのツアーでは、茶摘みはもちろん「ティーセレモニー(茶道)が体験できた!」と大満足で、何種類ものお茶を購入して帰路に就きました。日本のお茶そのものだけでなく、その背景にある文化体験もまた、世界の人々を惹きつけているようです。
日本の抹茶が世界的に人気を集めているのは喜ばしいことですが、その一方で、日本でも抹茶や緑茶の市場価格が上がり、ペットボトル飲料やカフェメニューなどの値上げもみられるようになりました。
多くの人が日常的に飲用する緑茶が今後、たまに味わう嗜好品になってしまったら……と想像すると、日本人としては複雑な気持ちになります。
出典:Hint Pot

