キャッサバ栽培広がる 肥料なし、休耕地を有効活用

タピオカの原料となるキャッサバ(マニオク)は世界中の熱帯地域で栽培される

 ジャガイモ、サツマイモと並ぶ世界三大芋類であるキャッサバの栽培が、愛知県新城市で広がっている。高温や乾燥に強く、肥料がなくても育つため、休耕地を有効活用できるのが利点。キャッサバ料理を提供する地元カフェを拠点に、国際交流も生まれている。

同市の外国人人口は国籍別でブラジル、ベトナム、フィリピンの順に多く、約1000人。これらの国でキャッサバは日常的な食材で、ブラジルではフライドポテトのように揚げる他、コロッケに似た料理にも使われる。

 キャッサバ栽培が国際交流の糸口になるのでは――。市国際交流協会会長の田村太一さん(54)の相談を受け、2024年に市雇用創造協議会がセミナーを開いた。講師がキャッサバの栽培方法や食べ方を説明し、参加者に苗木を販売した。

 参加した同市の「八名地域の農業を考える会」は、240本をメンバーの一人、加藤久美子さん(62)の畑で試験栽培。26年度は地域の団体と協力し、団体が地元農家から借りた休耕地や、加藤さんの畑で計150本を植える。子ども園の農業体験や収穫後の試食イベントも予定する。

 加藤さんは「キャッサバの栽培は手間がかからず楽。ただ、作っても食べないと循環にならないので、まずはキャッサバを知ってもらう」と意気込む。

 キャッサバ栽培は日本人以外にも拡大。25年度は市内のブラジル人が農園を立ち上げ、700本を栽培。農地は休耕地を借り、26年度は栽培本数を1000本に増やす計画だ。

 農園で収穫したキャッサバは、市内のカフェでブラジル料理に使い提供。客は日本人が半数以上を占める。

 カフェはキャッサバを通じた国際交流の一環で、親子向け料理教室も開いている。

 店長のリベイロ・ジェシカさん(34)は「日本人でキャッサバを買いたいという人も出てきた。おいしいのでもっと多くの人に知ってほしい」と期待する。

(岸康佑)

 
出典:日本農業新聞