愛媛県が約20年かけて開発した高級かんきつ「紅プリンセス(品種名・愛媛果試第48号)」が中国に流出した可能性が浮上している。紅プリンセスは2022年に国内で品種登録され、25年春に本格販売を開始したばかりだ。愛媛県は中国での品種登録も申請中だが完了していない。登録により権利が保護される前に中国に流出したとすれば、ブランド価値の維持やアジア市場での販売戦略に悪影響を及ぼす懸念がある。
愛媛県が約20年かけて開発し、昨年春に本格販売が始まったばかりの高級かんきつ「紅プリンセス(品種名・愛媛果試第48号)」と同じ品種である可能性がある。
中国では10年以上前から「愛媛28号」や「愛媛38号」などの名称で、愛媛県で育成した高級かんきつが流出したとみられる果物がヒット商品になってきた。通販サイトを通じて「紅プリンセス(中国名・紅公主)」を名乗る果物を購入し、生産者だという販売元に「これは愛媛48号なのか」とチャットで問い合わせると「そうだ。数年前に新しく出てきた品種だ」と説明した。苗木は四川省で育成されたものだという。「愛媛48号」は中国でも品種登録を申請中だが、まだ完了していない。
購入した「紅プリンセス」は確かに上品な甘さで、高級さを感じさせる。販売元はチャットで「手でむくよりもナイフで切って食べたほうがうまい」と勧めてきた。
日本の農林水産省関係者などによると、これが紅プリンセスかどうかは外見だけでは確認できないという。ただ、紅プリンセスの苗木だと称する商品は中国内のインターネット上で幅広く販売されており、毎日新聞は紅プリンセスの苗木が四川省に流出した可能性を示唆する中国側の文書も発見した。
シャインマスカットの教訓から日本政府や愛媛県を含む果物生産県はさまざまな対策を取っている。その対策は大きく分けて「流出阻止」と「育成者の権利保護」の二つだ。今回の「紅プリンセス」が実際に流出したものだとすれば、今後の展開次第で、この二つの対策の有効性を図る一つの試金石になりそうだ。【畠山哲郎(北京)、畠山嵩】
出典:Yahoo!ニュース

