「ホタテ貝で胃薬」最終審査へ 大湊高 

ホタテの貝殻を焼成した粉末(焼成カルシウム)を胃薬に応用する研究

 大湊高校(青森県むつ市)のサイエンスクラブが5月、高校環境化学賞(日本環境化学会主催)で上位3校に次ぐ奨励賞(8校)を受賞し、25日に長崎市で開かれる最終審査に進んだ。創部3年目での快挙。部長の山口那乃さん(3年)は「部員みんなで丁寧にデータを取った。成果をしっかり伝えきりたい」と意気込む。

 同クラブは2024年春、顧問の柴田大毅教諭(32)の呼びかけに当時1年の山口さんと同2年の坪聖也さんの2人が応じ、立ち上がった。現在は3年生3人、1年生1人で活動している。

 今回受賞したのは坪さんと山口さん、林桃花さん(3年)、村口美菜弥さん(同)による研究「貝殻由来の制酸剤の胃薬への適用可能性」。ホタテのへい死が深刻化し、貝殻の処分が課題になっていることを端緒にテーマを組み立てた。

 4人は貝殻が古くから生薬として活用されている点に注目。市販されている胃腸薬の一つを比較対象にして、ホタテやシジミ、カキなどさまざまな貝殻で実験したところ、ホタテ貝は過剰に分泌された胃酸を中和し、市販薬より長い時間、胃の中を理想的な環境に保つことができる-というデータが得られた。柴田教諭は「実験レベルではあるが、面白い結果が出た」と胸を躍らせる。

 研究の中で大変だった実験が、1分ごとに塩酸を追加し、1時間ほど混ぜ続ける作業。一度始めると中断できず、林さんは「根気のいる作業だった」と苦笑いする。村口さんは「データを取り終わって、表にまとめたら達成感があった」と振り返る。

 最終審査には山口さん、林さん、村口さんの3人で臨む。約1カ月前から発表の練習を繰り返した。山口さんは「最終審査まで進めて本当にうれしかった。緊張するけど、最後までやりきる」と話した。

 高校環境化学賞は、名久井農業高校の環境研究班2班も奨励賞を受賞している。

 
出典:Web東奥