Monthly Archives for 2024年 10月

上園地

リンゴの皮、農薬は大丈夫?

出典:Grape
 

秋の果物といえばリンゴ!

 あなたはリンゴを食べる時に、皮を剥きますか。口当たりなどを気にして皮を剥く人もいるでしょうが、中には「農薬が付着しているかも…」という不安から、避ける人もいるかもしれません。

 では、リンゴの皮は食べても大丈夫なのでしょうか。

— 農薬については国の基準がある —

 農薬はリンゴの実に散布するのではなく、主に葉や樹木に散布するものです。

 また、農薬は雨水で洗い流され、日光で分解されるため、たとえ実に付くことがあっても自然に流れていきます。

 また、農林水産省が、日本国内において使用する農薬について厳しい制限を課しており、人体に影響のあるような農薬の使用はそもそも認められていません。

 農林水産省の管理下で、散布量、散布時期が決まっており、使用基準は農薬取締法で設定されています。

 残留農薬についても、農林水産省は食品を通じた農薬の摂取量が、以下を超えないことを確認し、人の健康を損なう恐れがないよう定めています。

  • 毎日一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される、1日当たりの摂取量 (ADI:許容1日摂取量)
  • 24時間、またはそれより短時間の間に摂取しても健康への悪影響がないと推定される量(ARfD:急性参照用量)

 上記のことから、万が一、皮に農薬が残っていたとしても、人体に影響はないと考えられます。

 農薬を心配し、皮を食べずにいた人はもったいないことをしていたかもしれません。

— リンゴがテカテカしている理由 —

 見た目向上のために、「リンゴにワックスを塗布しているのでは…」と思う人がいるかもしれませんが、一般的に国内産のリンゴはワックスを使っていません。

 リンゴは、ろう物質(果粉)を分泌して内部を保護しています。しかし、成熟が進むと、リノール酸やオレイン酸などの脂肪酸が増え、これが皮に含まれるロウ物質を溶かして、表皮に現れてきます。

 すると、表面が光ってベタベタしたように状態に。これは自然なことで、むしろ実が熟している証拠です。

 ちなみに、テカテカしやすいリンゴとしては『つがる』『ジョナゴールド』などがあります。

 リンゴの皮は食物繊維が豊富に含まれているので、口当たりなどが気にならない人は、食べてみてはいかがでしょうか。

 

農家が教えるサトイモの育て方

出典:マイナビ農業

水はけの悪い畑でこそ栽培したい

 

 サトイモは比較的栽培のしやすい作物です。特に水はけが悪い畑があって困っている人にとっては、その土地を最大限に活用できるうってつけの作物で、一回種イモを買えば、品種によっては毎年自家増殖して繰り返し育てることができます。
暑い夏に働いた分、冬にホクホクのサトイモを楽しめますので頑張って育てましょう!

 “畑の際は水が染みていて常に水はけが悪く他の作物が育たない、など日本では比較的よくある悩みなのですが、サトイモこそそういった場所に適しています。
水はけが良かったとしても、サトイモは用水路の隣の水やりがしやすい場所に植え付けるなど、植え付ける場所を限定してしまいましょう。

 とにかく栽培をはじめる前に、梅雨明け以降水やりができる環境であるかどうかを確認することが大変重要な作物です。

サトイモの土づくり

 サトイモは堆肥(たいひ)でつくれ、という格言があります。言葉の通り堆肥だけで育てる必要はありませんが、やはり堆肥をたくさん投入している畑の方がより良いサトイモが収穫できます。
 植え付け予定の畑に1平方メートルあたり5キロの堆肥(牛ふんや豚ふんなど)を投入し、苦土石灰50グラムと一緒に耕しておきます。
 植え付け1週間前には化成肥料100グラムをよく混和して畝を立てておきましょう。1メートル幅程度の大きな畝の方が生育が良いです。

 購入した種イモであれば選択の余地はありませんが、去年収穫して保存していた種イモ(最後に保存方法を説明します)を使用する際には、親イモを利用すると、より立派なサトイモが収穫できます。ただし、親イモは一株に一個しかとれないので、たくさん植えたい場合は購入種イモと同様に子イモを利用します。

サトイモの植え付け

 購入した種イモであれば選択の余地はありませんが、去年収穫して保存していた種イモ(最後に保存方法を説明します)を使用する際には、親イモを利用すると、より立派なサトイモが収穫できます。ただし、親イモは一株に一個しかとれないので、たくさん植えたい場合は購入種イモと同様に子イモを利用します。
 サトイモ上部が地表面から10~15センチほどの深さになるようにして、芽を上に向けて植えこみます。中生(なかて)品種であれば株間は40センチ間隔、晩生(おくて)品種の場合は50センチ間隔で一列に植え付けてください。
 初期生育を旺盛にして、草取り作業をなくすためにはマルチを上から張っておくことをおすすめします。
より良いサトイモを収穫しようと思うならば、6月中旬には剥がしてしまうことになるのですが、小さくても構わないのであれば、そのままマルチをし続けても構いません。
 しばらくすると芽がマルチを突き上げてきますので、手でマルチを破ってあげましょう。
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にわ

ひと月の収穫期しか味わえぬ逸品「栗の点心 朱雀」

出典:産経新聞

 

 栗の名産地として知られる長野県小布施(おぶせ)町に、栗の収穫期の約1カ月間しか食べることができない逸品がある。老舗栗菓子店の小布施堂が提供する「栗の点心 朱雀(すざく)」。見た目は洋菓子のモンブランだが、口に入れると、想像を超えた「和」のスイーツだった。

予約客次々と

 小布施町中心部の国道403号沿いに江戸情緒を感じさせる落ち着いた町並みがある。その一角、大きな三つ栗の紋が目印の小布施堂本店の南隣に武家屋敷造りの正門があった。くぐり戸を入った先が「栗の点心 朱雀」を提供する場所だ。

 午前9時少し前、朱雀の予約客が次々とくぐり戸を入っていった。門の中は、小布施堂と桝一市村(ますいちいちむら)酒造場を営む市村家の本宅や精米蔵を改装したカフェに囲まれた落ち着いた広場。全部で71ある席があっという間に埋まっていく。家族や友人らと訪れる人だけでなく、男女とも〝お一人さま〟も目立つ。

 同社常務取締役の滝沢真紀さんは「新型コロナウイルス禍を機に予約制にしました。それ以前は徹夜組も含め、正門の前に約400人の方の列ができました」という。

予想外の香り

 案内された席につくと数分で朱雀が運ばれてきた。そうめん状に細く絞られた栗のペーストが幾重にも乗せられ、高さ約6センチ、裾野の幅は約13センチになる。その広がりは神獣である朱雀の羽を思わせる。

 その細いペーストを口に含むと、一般的なモンブランとは一線を画す予想外の香りが広がった。栗特有の繊細な甘味と渋みとほくほくした舌触り。まさに栗そのもので、秋を食しているかのようだ。

 栗ペーストの下には栗あんが隠れていて、ペースト部分と合わせながら好みに応じて甘みを変えて楽しむことができる。

毎日違う味に

 朱雀の栗ペーストは、収穫したばかりの栗を蒸して裏ごしし細く絞っただけのもの。1食に使う栗は、大粒の栗15個前後で、出来上がりの重さは約200グラムになる。

 栗ペーストは砂糖を使っていないためみるみる風味が落ちる。そのため朱雀は着座のタイミングに合わせて作り始め、提供から約30分以内に食してもらう工夫をしている。時期を決め、席ごとに予約時間をずらし、提供時間を45分間に設定しているのは、おいしく食べてもらうためだ。今年は9月7日から10月16日までの期間限定で、1食2千円で提供している。

「栗ごとに色も香りも水分量も違うので、朱雀の味も毎日異なります。期間中に何度もいらっしゃる方もいますし、毎年来られる方もいます」と滝沢さん。

 点心とは一時の空腹を癒やすためにとる軽食のこと。旬の栗そのままの朱雀を、多めのほうじ茶で口を潤しながら何度も堪能すると、軽食とはいえすっかりおなかはいっぱいになっていた。

 朱雀の提供は毎日午前9時~午後3時台の7回。午後3時台の回のみ当日枠で先着順。すでに土日祝日の予約は満席だが、平日はわずかに残席があるという。予約、当日券の入手方法は小布施堂のホームページで。(石毛紀行)

 小布施堂本店(長野県小布施町808) JR長野駅から長野電鉄長野線に乗車し約40分、小布施駅で下車、徒歩10分。小布施堂本店を含む界隈(かいわい)は1980年代に行われた「町並み修景事業」で再構築された。小布施で晩年を過ごした江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の作品を所蔵・展示する北斎館や史料館、老舗栗菓子店が数多くあり、町を散策するのも楽しい。

 

丹波篠山 秋の味覚 希少な黒エダマメ

出典:Opdeli

 

 丹波篠山は、お正月のおせち料理に使う黒豆の有名な産地ですが、後継者不足で耕作放棄も増えています。そんな丹波の農産物をご利用いただきたい…ということで、丹波篠山産の希少な「黒大豆枝豆」を企画しています。この枝豆が出回るのは、一年のうち10月のわずかな期間だけ。市場に出回ることの少ない希少な「丹波篠山 黒大豆枝豆」、ぜひこの機会に味わってみてください。

 四方を山に囲まれた丹波篠山。標高約200メートルのこの盆地は、黒大豆発祥の地とされています。内陸性の気候は、寒暖の差が大きく、黒大豆の栽培に適しています。

 丹波篠山の黒枝豆は、お正月の煮豆に使われる丹波黒大豆の熟成途中の枝豆・さや豆で、青く若いうちに収穫したもの。枝豆として食べられる期間は、10月の約2~3週間ほどしかなく、丹波篠山の秋の味覚として珍重されています。

 丹波篠山産の「黒枝豆」は、一般的な枝豆とは違い、ほとんどがさやの中に1〜2粒しかないため、ひと粒、ひと粒が大きいのが特徴です。粒の色は、少し黒みがかっていて、丹波黒枝豆特有の深いコクや甘み、ほっくりとした食感が魅力。

 丹波篠山市では、粒の大きさや味わいを担保するため、丹波篠山産の黒大豆枝豆について「解禁日」を設けています。毎年10月上旬に解禁となりますが、およそ2〜3週間の収穫期の間に見た目や味わいは大きく変わっていきます。さやには徐々に茶褐色の斑点などが現れ、黒ずんできますが、これは豆の風味やうまみがのってきたという証しです。

 今回お届けする「黒大豆枝豆」は、さやが大きく膨らんだ状態で収穫。丁寧に枝から外し、洗浄、選別して200gずつ袋詰めしています。丹波篠山産の「黒大豆枝豆」ならではの濃厚で芳醇な風味と、コクのあるうまみをお楽しみください。

 まずは茹で枝豆で、ホクホクの食感、コク深い風味をお楽しみください。またフライパンで皮ごと焼く、焼き枝豆もおすすめです。そのほかにも、黒枝豆の炊き込みご飯やパスタなど、いろいろな料理にお使いください。

 

松茸ご飯

出典:暦生活

 

 食卓に秋を告げてくれる食材の一つ、松茸。

 アカマツの林に生える松茸の旬は、初秋から晩秋にかけてです。今年の夏は殊更暑かった上に、まだまだ日中は残暑も厳しいですが、せめて食事の中に秋の風を感じたいものですね。

 「香り松茸、味しめじ」と言われるように、キノコの中でも松茸は特に香りの良さが好まれてきました。それは日本人の古くからの感性らしく、山の峰に松茸が傘を立ててたくさん生えている様子を見て、なんて秋の香りの良いことでしょうと歌った詩が『万葉集』に詠まれています。

 縄文時代の遺跡からは、キノコの形を模した土製品も見つかっていますから、もっとずっと昔から日本人は松茸に親しんでいたのかもしれません。

 平安時代後期の歌人・源俊頼の『散木奇歌集(さんぼくきかしゅう)』には、焼き松茸が登場し、贈り物として松茸を用いたことなどが記され、当時の日本人と松茸の関係性が垣間見えます。この頃から、貴族たちは秋になると近くの山々で松茸狩りを楽しみ、秋の味覚を味わっていたのでしょう。

 そうした風習は江戸時代になると庶民にまで広がり、特に関西では、秋の行楽の一つとして、松茸狩りに勤しんだようです。江戸時代の『摂津名所図会』には、現在の大阪府高槻市の山で松茸狩りを楽しむ人々の様子が描かれ、そこには鍋も登場しています。現地で松茸を煮炊きして味わったのでしょうか。なんとも贅沢な山遊びです。

 9月9日は重陽の節供です。江戸時代後期の大坂(大阪)では、節供前の2、3日は、天満に松茸市が立ち、たくさんの提灯に照らされた夜市が賑わっていました。

 松茸は、大阪では重陽の節供の行事食に欠かせないものだったようで、当時の文献には、「烹物には必ず松茸を用い、魚類は鱧を用いる」のが通例だと記されています。今では高級食材の松茸ですが、江戸時代にはもっと身近な秋の味覚だったのかもしれません。

 松茸は、若いものから順に、傘が固く閉じたものを「ころ」、もう少し伸びたふくらみかけのものを「つぼみ」、傘が開き始めたものを「中開き」、開き切ったものを「ひらき」などと呼んで区別します。傘が開いたものの方が香りが強く、松茸ご飯に向くとされます。

 しかし、近年は松林の放置や虫害によって国産の松茸が採れなくなり、大変貴重なものになってしまいました。現在、国内では長野県や岩手県など、冷涼な気候の地域が主な産地です。とはいえ、やはり古くから松茸文化の中心だったのは京都で、今でも秋には松茸を味わう習慣が続いています。

 人工栽培ができない松茸を自然に生えてくるように促すためには、松林の手入れが必須です。風通しが良く乾燥していて、栄養のない痩せた土地を好むため、落ち葉や雑草が貯まらないように取り除くなどして、松茸に合った環境を整えないといけません。

 京都の産地では、そうした努力の結果、現在も、丹波地域の「丹波松茸」や山城地域の「山城松茸」が生産されており、希少価値の高い国産松茸として、美食家たちの舌を唸らせています。

 国産松茸は高級食材ですから、普段の食卓に取り入れるのはなかなか難しいかもしれません。スーパーでは比較的安価な輸入松茸が手に入りますので、秋らしい松茸ご飯を炊いてみてはいかがでしょうか。

 

緑の濃い野菜はキケン!? 本物の野菜の見分け方

出典:つむぎオンライン

 

緑の濃い野菜はキケン!

 写真は大根の葉を上から見たものです。左側の葉の色が淡く、右側は濃くなっています。左と右、どちらが本来の色味だと思われるでしょうか。

 左が肥料を使っていない自然栽培野菜の葉の色味です。そして、右側が肥料を使って育った野菜の葉です。葉もの野菜を見分けるときも、この色味に注意する必要があります。ぜひ淡い緑色の葉ものを選んでください。

 ほうれん草や小松菜などの葉物は「緑が濃いもの」が元気で良いものというイメージがあるかと思います。その理由については「葉緑素」とか「栄養が詰まっている」からといわれています。本当に「緑が濃いもの」は体に良いのでしょうか?

 公園の草も空き地に生える植物も、売られている小松菜やほうれん草のように緑の濃いものはありません。よく見れば黄緑がかった淡い色をしていることに気づくと思います。

 緑色の薄い野菜は、ひ弱な印象をもつかもしれません。しかし、実際には大根は立派に肥料・農薬なしに育っています。

 どうして、こんな物質が植物に発生してしまうのでしょうか?

 その原因は、肥料にあるのです。先に触れたヨーロッパの地下水汚染のように、家畜の糞尿には肥料成分となる窒素がたくさん含まれています。この窒素が植物に吸収されるとき、「硝酸性窒素」として吸収されるのです。この濃度は投入する肥料の「量と質」によって変わります。肥料が何であるかといえば「窒素成分」を軸に作られているものといえます。有機であれ、化学であれ、肥料とは窒素が軸なのです。

 「窒素」は植物にとって成長促進剤にあたります。この窒素は有機肥料にも、化学肥料にも含まれていて、与えれば与えるほど葉の色が濃くなっていきます。
 特に葉もの野菜は窒素を吸い上げて一気に育つ性質があり、また植物が硝酸を成長点に近い葉にためる性質があることに起因しています。この窒素が過剰になると緑が濃くなる性質があります。

 こうしたリスクがあるにも関わらず、肥料を入れる。そこに貫かれている思想は「より多く、より速く、より甘く」を求める、このことに他なりません。すばやく成長させ少しでも多くを収穫し、現金に代える。つまり自然な成長スピードを無視して、経済効率を優先した結果といえます。

 自然栽培に取り組んでいる生産者の方に聞いたのですが、放牧で牛を飼っていたことがあったそうです。牛の生態観察する中で、牛は自分たちが糞をした場所に生える草を、決して食べないことに気づいたそうです。糞は動物性の肥料ですから、そこに生える草の色は当然濃い緑になります。

 緑の濃い草を食べない、このことが意味するものは、硝酸性窒素の危険性を牛たちは本能で知っている。そのようにも考えられます。季節が過ぎ、その場所の草の色がまた自然な黄緑に戻ってくると、牛たちは再び草を食べるそうです。

 「肥料を入れないで育つの?」と感じられる方も多いでしょう。

 しかし、目には見えないけれども、土の中にも空気中にも窒素はたくさん存在しています。 空気の70%を占めるという窒素。空から降る雨にも窒素は充満しています。

 土中の微生物やさまざまな存在の力を借りて、作物は「天然窒素」を、自分の成長に必要な分だけを取り込むのです。自分が生き残るための努力を精一杯するというわけです。

 それよりも、肥料を与えなければ、栄養がなくなるのではという常識を少し疑ってみていただきたいのです。
 肥料学の常識は、肥料を入れれば入れるほど味は落ちるというものです。だから、なるべく肥料は少ない方がいい。しかし、経営を考えたとき、「収穫量」を考えて農家は肥料を使うのです。

 

にわ

塩沢産コシヒカリを手頃な値段で♪「倉友農園おにぎり屋」

出典:新潟日報

 

うおぬま倉友農園直営店「おにぎり屋」

 新潟県魚沼地域で「農家レストラン」が増えている。地元で昔から伝わる素朴な料理や、ご当地ならではの食材を使った珍しい品々が人気で、県内外から多くの客が集まる。農家の皆さんが丹精込めて作った料理を紹介する。

コメの保存から炊き方、握り方まで全てこだわり

 新潟県南魚沼市塩沢のうおぬま倉友(そうゆう)農園が運営する「おにぎり屋」は、自社栽培米にこだわった手作りのおにぎりを販売し、県外客を含む大勢の客を集めている。手頃な値段ながら食材にこだわり、1日で最大1500個ほど売れるという。手軽に食べられるおにぎりを通じて、塩沢産米のおいしさを広めている。

 うおぬま倉友農園は2003年に設立。南魚沼市内の塩沢地区の約25ヘクタールでコシヒカリを栽培している。自社栽培米のおいしさをPRしようと、06年におにぎり屋をオープン。口コミで県外からの注目度が高まり、休日は1時間待ちの行列ができるほどの人気店になった。

 通常の販売は、甘辛い味が癖になるかぐら南蛮みそや、店舗で調理する焼きたらこなど12種類。土日曜祝日は、北海道で取れた鮭で作った塩引き鮭や、はさがけ米の塩むすびといった限定メニューも加え、140〜340円で販売している。

 新米が出る前は、新米同様のうまみを味わってもらおうと、もみや玄米のまま雪室熟成させた米を使う。といだ後、2時間以上冷蔵してから炊いて甘さを引き出したり、炊いた後は20分ほど蒸らしたりと、工夫を重ねる。

 休日は1200個の販売を目標にしており、スタッフは慣れた手つきでおにぎりを握る。約120グラムのご飯を口当たりが良くなるように素早く、力をかけず優しく形にする。店舗の運営を担う部長の木村茂子さん(63)は「休日の開店前は、1時間半で1人当たり80個以上は握る」と語る。

 5月にイートインスペースを備えた店舗を、おにぎり屋の隣に新設した。カレーライスやみそ汁の提供も行い、おにぎりに使っている米の販売もしている。

 木村さんは「塩沢で作られたおいしい米が、手頃な値段で食べることができる。おにぎりをきっかけに、いろんな米を味わってもらいたい」と話した。