出典:Ttreeandnorf
新鮮で美味しそう! と感じる方が多いのではないでしょうか? 「朝採れ? 新鮮で美味しそうだなあ!」とはっきり思わなくても、無意識にそう理解している人が多いでしょう。
朝、畑で収穫された野菜がその日のうちに売り場に並ぶ。確かに、これほど新鮮なことはありません。
植物である野菜は、太陽光の力を借りて二酸化炭素を吸収し、酸素と糖分を作り出します(光合成)。この糖分は、土中の栄養素(チッ素)を根から吸収する際のエネルギー源として使われるほか、チッ素と結合してタンパク質となり、野菜の成長のために使われます。
日中、野菜は光合成を活発に行うため糖分が多く、根から吸収したチッ素と結合して大量のタンパク質をつくり出しています。また、呼吸の過程で水分を多く蒸散させるので、夜間に比べて水分は少ない状態といえます。
対して夜間、野菜は光合成を止めています。日中に作り出した糖分をエネルギーとして、土中にある養分(チッ素)を吸収しますが、タンパク質を作り出す活動もストップしています。
糖分は言わずもがな「甘み」、チッ素は一般的に「エグ味や苦味」のもとになるとされています。水分は「みずみずしさ」。
昼間に活動し切った野菜を収穫するなら夕方、夜間の状態をものを収穫するなら朝、となりますね。
ここまでの情報だけで理解すれば、「野菜は夕方採ったほうがいいのか!」となりますが、そんなに単純な話ではないようです。ここには、収穫してから食べるまでの時間、つまり「鮮度」の情報が欠けているからです。
野菜の美味しさに大きく影響する要素といえば、やはり鮮度。
一般的に売られている野菜は、収穫されて流通に乗り、さらに売り場から食卓へと動いていきます。収穫から食卓までの時間が短ければ短いほど、鮮度は良いと言えます。
夕方に収穫された野菜が一般的な流通に乗るのは、おそらく翌日になってしまうでしょう。となると、半日以上のタイムロスが生じます。
一方、朝、収穫された野菜は最短時間で流通に乗せることができ、最短で食卓へと届けられます。考えられる、最適な収穫のタイミングなわけです。
さらに、上記の表は野菜の種類、例えば、キャベツやレタスなど「葉っぱを食べる野菜(葉菜類)」か、トマトやキュウリなど「果実を食べる野菜(果菜類)」かで異なると言われています。
また、かぼちゃのように、収穫後にしばらく寝かせる(キュアリング)ほうが甘みが増す野菜もあったりします。