出典:野菜大好き
風味がある菜花の一種です。
近年よく見かけるようになった新顔野菜の一つ、アスパラ菜。地域や栽培方法によっても違いますが、主に秋に種をまき、冬から早春にかけて収穫されます。見た目は同じアブラナ科アブラナ属の菜花によく似ていますが、苦味はなく、クセがなく、ほんのり甘い風味や茎の食感がアスパラガスに似ていることから、この名が付いたのだそうです。菜花と同様に花芽を食べる野菜で、トウ立ち(花芽が付いた茎が伸びた状態)した茎葉とつぼみを食べます。
新潟県の上越地方では1992年頃から栽培を始め、以来、重点品目の一つとして生産に取り組んでおり、柏崎市でも柏崎地場特産品に認定されています。また、山形県、長野県、徳島県、福岡県などでも栽培されています。
アスパラ菜は中国野菜の「菜心(サイシン)」と「紅菜苔(コウサイタイ)」を交配させて育成された品種です。種苗会社によって「オータムポエム」、「愛味菜(まなみな)」といった名前で呼ばれることも。
ちなみに親である「菜心」もよく似た姿で、若い葉茎や花芽を食べますが、こちらは初夏から秋にかけて収穫される暑さに強い野菜です。一方、「紅菜苔」も同様に若い葉茎や花芽を食べますが、菜花よりも寒さに強く、紅紫色した茎や葉柄、葉脈が特徴で、寒いほど濃く鮮やかになるといいます。
アスパラ菜の100g当たりの栄養価は食品成分データベースなどには記載されていませんが、同じアブラナ科アブラナ属の菜花に似た栄養素が期待できると推察できます。ちなみに、在来種ではない洋種の生の菜花の茎葉100g当たりの栄養価は、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けるカリウムが390mg、抗酸化力にすぐれたベータカロテンは2600μgと非常に豊富で、免疫力の維持や美肌に欠かせないビタミンCは110mgで温州みかんの3倍以上、赤血球の生成に関わることから「造血のビタミン」と呼ばれる葉酸は240μg、「止血のビタミン」と呼ばれるビタミンKは260μgでいずれも小松菜よりも多く、食物繊維総量はキャベツの2倍を超える3.7gも含まれており、非常に健康的な野菜です。
つぼみが多く、あまり開花しておらず、葉や茎に張りがあり、しおれがなく、切り口がみずみずしく新鮮なものを選びます。
あまり日持ちしないので、購入後はできるだけ早く調理したい野菜ですが、保存する場合は湿らせた新聞紙などで包み、ポリ袋に入れ、花を上にして立てた状態で冷蔵庫の野菜室へ。長めに保存する際は、よく洗ってしっかりと水気を切り、根元の硬い部分を切り落し、食べやすい長さに切り、生のまま食品用保存袋に入れ、できるだけ平らに並べ、空気を抜いて冷凍すれば、2~3週間は保存可能です。調理の際は凍ったまま加熱調理できるので便利です。
クセがないので、さっとゆでてお浸しや和え物にする他、炒め物や天ぷらなどにしても美味です。