出典:青森のうまいものたち
長い冬が終わりを迎えると、青森県の山々へ山菜の旬がやってきます。山ではまだ雪が残っているところもあり、冬と春が同時に感じられる不思議な季節です。青森県内の直売所に行くと、早朝に収穫された山菜が並んでいます。
ウコギ科タラノキの新芽のことを「タラの芽」といいます。
タラノキは、大きいものは高さ3mほどにもなり上に真っすぐ伸びる木で、タラノキの先端に新芽としてできるものが「タラの芽」です。
「タラの芽」には山菜独特の苦みやえぐみは少なく、クセがないため食べやすいのが特徴です。
3mほどまで伸びる木姿(きすがた)や、確かな美味しさから、山菜の王様と呼ばれるのも納得です。
「ボンナ」は、キク科コウモリソウ属のヨブスマソウのことを言います。
地域によっては「ボンナ」と違う呼び方をしていることがあります。
見た目はフキに似ており、独特の香りがします。「ボンナ」特有の苦みがあるのも特徴です。
「シドケ」は、キク科コウモリソウ属のモミジガサのことを言います。
見た目は「ボンナ」に似ていますが、「シドケ」の方が葉が小さめです。
「ボンナ」より苦みは強くありませんが、「シドケ」も山菜独特な苦み、えぐみが感じられます。
ほろ苦いという表現が合うかもしれません。
「根曲がり竹」は、イネ科タケ亜科ササ属のチシマザサと呼ばれる、笹のタケノコです。
全国のスーパーなどで売られる孟宗竹(モウソウチク)は竹林で採れるタケノコで太くずっしりしています。
孟宗竹と比べるととても細く小さいのが特徴です。
雪国の青森では、笹の芽が雪の重みで湾曲したまま育つため、「根曲がり竹」という名称がつきました。
その上品さと美しさから、別名「姫たけ」とも呼ばれています。
イワデンダ科のシダ植物の一種。芽の先端にある幼葉が渦巻き状になっており、前かがみにこごんだように見える特徴的な形をしています。渦巻き状なのはゼンマイに似ていますが、ゼンマイよりもあくが少なく手軽に調理することができます。