炒める・焼く・蒸す
出典:国立環境研究所
春になると各地で、辺り一面黄色に彩られた菜の花畑の風景を目にします。「菜の花」とは植物学上の用語ではなく、アブラナ科のアブラナ属植物(Brassica)を総称した呼び名です。河川敷などで見られる菜の花は、アブラナ、セイヨウアブラナ、カラシナがほとんどですが、食卓でお馴染みのカブやハクサイ、キャベツ、ブロッコリーなども菜の花の仲間です。
春過ぎ、収穫されずに残されたこれらの野菜を観察すると、「花」や「さや」の形がよく似ていることがわかります。「油菜」という名前の由来は、江戸時代に油を採るために栽培されていたためです。
海外では生産性の向上や農作業の効率化のために、遺伝子組換えによって除草剤に強いセイヨウアブラナ(GMセイヨウアブラナ)が生産されています。日本は主に食用油の加工や飼料用として年間約200万tのセイヨウアブラナの種子を輸入していますが、約半分に遺伝子組換え体が混入していると推定されています。
菜の花が咲く場所は?と聞かれたら、休耕田や河川敷の光景をイメージされるかと思います。カラシナやセイヨウアブラナは環境にもよく適応し生育力も旺盛なため、このような場所に広がって、各地で大きな群落になっています。
ところがよく見てみると、車道沿いのアスファルトの隙間などにも花を咲かせていることがあります。このような菜の花は、輸入されたセイヨウアブラナの種子が自動車で輸送される際に、こぼれ落ちたものと考えられます。
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