秋を彩る「ススキ」と「オギ」の見分け方

 秋が深まるなか、土手やちょっとした空き地でススキが輝いているのが目につきます。ススキはほうきや屋根を葺(ふ)く材料として使われるなど、古くから日本人の生活になじんできた植物です。

 ただ、私たちが「ススキ」と思っている植物に、実は「オギ」が混じっているかもしれないことを知っていましたか?

 まずススキは、イネ科の多年草で広く東アジアに分布しています。平地や山野の日当たりのよい場所に群生し、夏から秋にかけて20〜30cmの花穂をつけ、陽に映えて白っぽく輝く姿が特徴的です。

 オギも、やはりイネ科の多年草で東アジアに分布しています。日当たりのよい場所を好みますが、河川敷や湿地、沼など湿り気のある場所に群生します。夏から秋にかけて花穂をつけ、その姿はススキにとてもよく似ています。

「かつては『カヤ材』として屋根を葺くのに使われていたので、職人さんはススキとオギを区別していたはずです。ただ、見た目がとても似ているせいか、一般的にはあまり区別されていません。

生える場所がススキは乾いたところ、オギは湿り気のあるところを好むとされていますが、両方が混在して生えることもあり、生育環境での区別は難しいでしょう」(秋山さん)

 ススキとオギはどう見分けたらいいのでしょうか。

「ポイントは、小穂(しょうすい)の違いです。小穂は穂を作る構造の1つですが、穂を1本取って折り曲げてみると違いがわかります。

 ススキの小穂は、1つの粒から芒(のぎ)という1本の針のようなものが出ています。芒の周囲にはやや短めのふわふわした毛があります。対してオギの小穂には芒がなく、毛が目立ちます。毛もススキと比べると長めです」(秋山さん)

 それ以外にも違いはあるといいます。

「葉の幅が、ススキは狭くオギは広めです。地面からの生え方も違います。ススキはたくさんの茎がまとまり、束になって株を作ります。オギは株が1本ずつ地面から伸びています」(秋山さん)

 秋の自然の光景にススキやオギは欠かせません。秋山さんは、「ススキもオギも、ホワホワした穂の雰囲気がとても好まれる」と、その魅力を語ります。

「中秋の名月の欠かせないアイテムとして定着していますし、秋の季節を表すアイコンと言えるでしょう。穂を1つ摘(つ)んで室内に飾るだけで、風雅な演出になります。都心のちょっとした隙間にも生えていることもあり、生命力に感動します」(秋山さん)

 
出典:ウェザーニュース