勝手に山菜を採ると森林窃盗で逮捕される?

森林窃盗罪: 三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金

 熊本県が公表している「熊本県林業統計要覧」によると、平成31年4月現在の熊本県内の森林総面積は、46万1040ヘクタールとなっています。その内訳としては、民有林が86%、国有林が14%であり、熊本県内における土地利用面積に対する森林面積の割合は、62%を占めていることがわかります。

 登山やキャンプが流行していることもあり、休日には自然の多い山や森に出かけるという方も多くなっていることでしょう。訪れた山や森に珍しい植物や山菜・タケノコなどの自然の食材があったときには、持ち帰りたくなる方もいるかもしれません。しかし、自然に生えている物だからといってそれを持ち帰ることは、場合によっては犯罪行為に該当することがありますので、注意が必要なのです。

(1)勝手に山菜を採ることは森林窃盗

 森林法197条では、「森林においてその産物(人工を加えたものを含む。)を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」と規定しています。そして、森林窃盗が保安林の区域内においてなされたものであるときには、刑罰が加重されており、森林法198条によって「五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」と規定されています。

 森林窃盗で対象となっている「その産物」には、有機的産出物だけでなく、無機的産出物も含まれます。そのため、山菜やキノコ採った有機的産出物だけでなく、単なる石や岩といった無機的産物を持ち帰ったとしても森林窃盗は成立することになります。

 誰かの所有する山で山菜を採ることはよくないと何となくわかっている方でも、「国や県などが所有する山であれば問題ないだろう」と思っている方もいます。しかし、上記のとおり、自分以外が所有する森林において何らかの産出物を持ち帰ることは、すべて森林窃盗に該当するおそれのある行為なのです。

「道端に生えているのだから、よいだろう」といった安易な動機で植物を持ち帰ってしまうと場合によっては森林窃盗で処罰されるおそれがありますので、十分に気を付けましょう。

(2)立ち入り禁止の場所に入ることは軽犯罪法違反

 軽犯罪法1条32号は、「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者」を拘留または科料に処すると規定しています。

 そのため、立ち入り禁止の看板があるにもかかわらず、山に立ち入ったときには、何も持ち帰らなかったとしても軽犯罪法違反となるのです。

 
出典:ベリーベスト法律事務所