出典:園芸ナビ
1.果肉を取り除く
実を用意したら、まずは種の周りにある果肉を取り除きます。
そのまま土に埋めても、発芽しないことが多いためです。
手で取り除いても良いですし、スプーンなどを使ってこそぎ落としてもかまいません。
2.種を洗う
果肉をおおまかに取り除いたら、種を洗います。
種の表面に残った果肉や、果肉の繊維は、小さなたわしなどを使って取り除きます。
種の表面に果肉などが残っていると、そこから腐敗したりカビが生え、種まで傷んでしまいます。
できるだけ表面に果肉を残さないように取り除いたら、水でよく洗っておきます。
種を準備した後、すぐに播くために、種を播く場所を準備します。
地面に直接種を播くよりは、鉢などの容器に播いた方が、何かと便利です。
3号か4号くらいのプラポットや鉢を準備します。
小粒の赤玉土を容器の中に入れ、そこに種を埋めます。
種が土から出ないようにしておきましょう。
種を播いたら水を与え、日向~半日陰くらいの場所に置いておきます。
ここで重要なのが、土を乾燥させないことです。
ウメの木自体はある程度の乾燥にも耐えられますが、種は乾燥に弱いです。
種を乾かしてしまうと発芽しなくなるので、土の表面が乾いたら、水を与えるようにします。
夏の間、どうしても土が乾きやすくなるので、暑い時期だけ半日陰の場所に置いておく方法もあります。
種をすぐに播く場合、種を播くのはだいたい6月~7月頃になります。
ウメなどバラ科の果樹は、一度冬の寒さを経験しないと発芽しないものが多いため、種を播いてもすぐに発芽しないことがほとんどです。
6月~7月に種を播いても、発芽するのは翌年の早春というのが基本です。
秋頃になってもまだ芽が出ていなくても、ウメにとってはそれが普通なので、気にせず水の管理だけを行うようにします。
採取した種を冷蔵庫に入れて保管し、疑似的に冬を経験させてから播く方法です。
タッパーやビニール袋など、密閉できる容器を用意します。
そこに種を入れるのですが、この時、湿らせたキッチンペーパーや水苔で種をくるむようにします。
ウメの種は乾燥に弱く、乾かしてしまうと発芽しません。
他の植物であれば、乾燥させて冷暗所に保管することも多いですが、ウメは違うので間違えないようにしましょう。
湿らせたキッチンペーパーや水苔でくるんだ種を容器の中に入れ、タッパーならフタを閉め、ビニールなら口を縛ります。
冷蔵庫など、4度~5度以下が保てる場所に入れて、保管します。
本来は、1ヶ月~2ヶ月ほどで、冬を経験したことにはなるのですが、播き時が1月下旬~2月頃なので、播き時まで冷蔵庫で保管します。
保管している間、時々種の様子を見るようにしましょう。
種をくるんでいるキッチンペーパーなどが、乾いてしまっていることがあります。
その場合は、また湿らせて種をくるみ、容器に戻して冷蔵庫で保管を続けます。
1月下旬~2月になったら、種を播きます。
種の播き方は、採取してすぐに種を播く時と同じです。
冷蔵庫に保管する場合も、結局は翌年の早春に発芽することになります。
ただ、すぐに播くよりも、夏の暑さにさらすことがないため、水管理がしやすくなります。
種に余裕がある場合は、両方試してみると良いでしょう。
発芽した後は、土の表面が乾いたら水を与えるようにし、日向に置いて栽培します。
鉢底から根が見えるようになったら、鉢の中が根でいっぱいになっているサインなので、植え替えをします。
植え替える時の用土は、市販されている果樹用の培養土で構いません。
植え替え後の管理は、一般的な鉢植えのウメと同じで問題ありません。
鉢が小さくなったら植え替えるを繰り返し、ある程度苗が大きくなった時、地植えにするか鉢植えで育てるのかを決めましょう。
開花・結実までには、5~6年はかかりますが、開花するととっても嬉しいです。