ウメ 種からの育て方

出典:園芸ナビ

 

開花・結実には5~6年を要します。

 1.果肉を取り除く
 実を用意したら、まずは種の周りにある果肉を取り除きます。
 そのまま土に埋めても、発芽しないことが多いためです。

 手で取り除いても良いですし、スプーンなどを使ってこそぎ落としてもかまいません。

2.種を洗う
 果肉をおおまかに取り除いたら、種を洗います。
 種の表面に残った果肉や、果肉の繊維は、小さなたわしなどを使って取り除きます。

 種の表面に果肉などが残っていると、そこから腐敗したりカビが生え、種まで傷んでしまいます。

 できるだけ表面に果肉を残さないように取り除いたら、水でよく洗っておきます。

— すぐに播く方法 —

 種を準備した後、すぐに播くために、種を播く場所を準備します。

 地面に直接種を播くよりは、鉢などの容器に播いた方が、何かと便利です。

 3号か4号くらいのプラポットや鉢を準備します。
 小粒の赤玉土を容器の中に入れ、そこに種を埋めます。
 種が土から出ないようにしておきましょう。

 種を播いたら水を与え、日向~半日陰くらいの場所に置いておきます。
 ここで重要なのが、土を乾燥させないことです。

 ウメの木自体はある程度の乾燥にも耐えられますが、種は乾燥に弱いです。
 種を乾かしてしまうと発芽しなくなるので、土の表面が乾いたら、水を与えるようにします。

 夏の間、どうしても土が乾きやすくなるので、暑い時期だけ半日陰の場所に置いておく方法もあります。

 種をすぐに播く場合、種を播くのはだいたい6月~7月頃になります。

 ウメなどバラ科の果樹は、一度冬の寒さを経験しないと発芽しないものが多いため、種を播いてもすぐに発芽しないことがほとんどです。

 6月~7月に種を播いても、発芽するのは翌年の早春というのが基本です。
 秋頃になってもまだ芽が出ていなくても、ウメにとってはそれが普通なので、気にせず水の管理だけを行うようにします。

— 寒さに当ててから播く方法 —

 採取した種を冷蔵庫に入れて保管し、疑似的に冬を経験させてから播く方法です。
 タッパーやビニール袋など、密閉できる容器を用意します。

 そこに種を入れるのですが、この時、湿らせたキッチンペーパーや水苔で種をくるむようにします。

 ウメの種は乾燥に弱く、乾かしてしまうと発芽しません。
 他の植物であれば、乾燥させて冷暗所に保管することも多いですが、ウメは違うので間違えないようにしましょう。

 湿らせたキッチンペーパーや水苔でくるんだ種を容器の中に入れ、タッパーならフタを閉め、ビニールなら口を縛ります。

 冷蔵庫など、4度~5度以下が保てる場所に入れて、保管します。
 本来は、1ヶ月~2ヶ月ほどで、冬を経験したことにはなるのですが、播き時が1月下旬~2月頃なので、播き時まで冷蔵庫で保管します。

 保管している間、時々種の様子を見るようにしましょう。
 種をくるんでいるキッチンペーパーなどが、乾いてしまっていることがあります。
 その場合は、また湿らせて種をくるみ、容器に戻して冷蔵庫で保管を続けます。

 1月下旬~2月になったら、種を播きます。
 種の播き方は、採取してすぐに種を播く時と同じです。

 冷蔵庫に保管する場合も、結局は翌年の早春に発芽することになります。
 ただ、すぐに播くよりも、夏の暑さにさらすことがないため、水管理がしやすくなります。
 種に余裕がある場合は、両方試してみると良いでしょう。

— 発芽後は? —

 発芽した後は、土の表面が乾いたら水を与えるようにし、日向に置いて栽培します。
 鉢底から根が見えるようになったら、鉢の中が根でいっぱいになっているサインなので、植え替えをします。

 植え替える時の用土は、市販されている果樹用の培養土で構いません。
 植え替え後の管理は、一般的な鉢植えのウメと同じで問題ありません。

 鉢が小さくなったら植え替えるを繰り返し、ある程度苗が大きくなった時、地植えにするか鉢植えで育てるのかを決めましょう。

 開花・結実までには、5~6年はかかりますが、開花するととっても嬉しいです。