大豆新品種「そらみずき」「そらみのり」

出典:アグリの樹

従来品種より3割以上多収

 両方ともに、さやがはじけにくく収穫ロスが抑えられ、実際の条件下で多収にこだわった品種。

 収量の多い米国の品種と、加工適正の高い日本の品種とを交配して育成。米国の品種は日本のものと比べ平均単収は約2倍だが、主に搾油用のため豆腐などへの加工適性に影響するタンパク質の含有率が低い。

「そらみずき」と「そらみのり」は、鞘がはじけにくい難裂莢性を備えるため、収穫前にはじけたり収穫機に当たってはじけたりするなどしてロスになる量を減らすことができる。葉焼病に抵抗性を持つが、ダイズモザイクウイルスやダイズシストセンチュウの被害は受ける。

 タンパク質の含有量は「フクユタカ」と比べ「そらみのり」はほぼ同等で「そらみずき」はやや低いが、豆乳抽出率は同等で、豆腐として利用できる。
 適正栽培地は、「そらみずき」が関東〜近畿、「そらみのり」が東海〜九州。10aあたりの収量は「そらみずき」が「里のほほえみ」の1.37〜2.33倍、「そらみのり」が「フクユタカ」の1.31〜1.56倍。種子の本格普及の時期は未定だが、「そらみずき」は2024年産向けに数百kgの種子供給が予定されている。