種からレモンを育てることは、発芽から成長していく過程を見守るという、他に代えがたい喜びを体験できる魅力的な方法です。しかしながら、種から育てたレモンの木が実をつけるまでには、一般的に5~7年、あるいはそれ以上の期間が必要となる場合があります。
また、親木とは異なる性質を受け継ぐ可能性もあります。観賞用として育成するには理想的ですが、できるだけ早く収穫したいという場合には、苗木から育てる方が適しています。
種から育てる場合は、まず十分に熟したレモンから種を取り出し、水で丁寧に洗いましょう。その後、種を覆っている種皮を剥き、湿らせた清潔な布やキッチンペーパーなどに包んで冷蔵庫で約1ヶ月間保管します(低温湿潤処理)。その後、鉢植え用の土に植え付け、日当たりの良い場所に置いて、水やりを忘れずに行いましょう。発芽するまでは土が乾燥しないように注意することが重要です。屋内では3年目くらいに花が咲き、実が付き始めることがあります。屋外ではさらに大きく成長してから実をつけるため、より長い時間が必要となり、5年程度で実がつくことが多いです。
苗木から育てる場合は、比較的短い期間で収穫を期待できます。購入する苗木は、接ぎ木されているものが多く、品質が安定しているという特徴があります。苗木を選ぶ際には、葉が生き生きとしていて、病害虫による被害が見られないものを選びましょう。また、品種によって耐寒性や育てやすさが異なるため、ご自身の栽培環境に適した品種を選ぶことが重要です。
苗木を植え付ける際は、根鉢を崩さないように注意しながら丁寧に植え付け、その後たっぷりと水をあげてください。植え付け後は、日当たりの良い場所に設置し、土の表面が乾いたら水やりを行いましょう。肥料は、成長が活発になる春から秋にかけて、緩効性肥料を定期的に与えるのがおすすめです。
レモンの木は、太陽の光をたっぷりと浴びることを好みます。1日に最低6時間以上は直射日光が当たる場所を選んでください。日照時間が不足すると、実のつきが悪くなったり、成長が遅れてしまう原因となります。また、風通しの良い場所を選ぶことも大切です。風通しが悪いと、病害虫が発生しやすくなります。庭に植える場合は、周りに高い建物や木がない、開けた場所を選びましょう。鉢植えの場合は、移動が容易なため、日当たりと風通しの状況に合わせて置き場所を調整できます。
露地栽培に適しているのは、比較的温暖な地域です。具体的には、アメリカ農務省(USDA)の耐寒性区分でゾーン9?11に分類される地域が適しています。これらの地域は、年間最低気温が-6.7℃から10℃の範囲であり、レモンの木が屋外で冬を越すことが可能です。それ以外の地域では、鉢植えで育て、冬の間は室内に移動させる必要があります。
レモンの木は、水はけが良く、弱酸性の性質を持つ土壌を好みます。市販されている柑橘類専用の培養土を使用するのが簡単でおすすめです。自分で土を配合する場合は、赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを7:2:1の割合で混ぜ合わせると良いでしょう。鉢植えの場合は、鉢の底に鉢底石を敷き、水はけを良くすることが重要です。さらに、土壌の酸度を調整するために、苦土石灰を少量混ぜ込むのも効果的です。
土壌のpH(酸性度)は、レモンの木の成長に大きく影響します。レモンの木はpH6.0?6.5の弱酸性の土壌で最も良く育ちます。pHが高すぎると、鉄やマンガンなどの微量元素が吸収されにくくなり、葉が黄色くなるなどの症状が現れることがあります。市販の土壌酸度計などを利用して定期的にpHを測定し、必要に応じて調整するようにしましょう。
レモンの木は、剪定によって風通しを良くし、理想的な樹形に整えることができます。剪定の適期は主に冬です。不要な枝、密集している枝、枯れた枝などを取り除きましょう。また、樹高が高くなりすぎないように、切り戻し剪定も適宜行います。剪定によって、日当たりが改善され、病害虫の発生を抑制できます。剪定を行う際は、剪定ばさみを消毒し、切り口に癒合剤を塗布することで、病気の感染を防ぐことができます。
レモンの木の剪定は、実のつき方にも影響します。レモンの実は、新しい枝に実りやすい性質があります。剪定によって新梢の発生を促すことで、実付きを良くすることができます。ただし、過度な剪定は生育を阻害する可能性があるため、注意が必要です。
レモンの収穫時期は、品種や栽培地域によって異なりますが、一般的には秋から冬にかけてが目安となります。果皮が鮮やかな黄色に色づき、独特の香りが強くなったら収穫のサインです。収穫する際には、ハサミを使用して枝ごと丁寧に切り取りましょう。収穫後のレモンは、風通しの良い涼しい場所で保管することで、比較的長期間保存することができます。
レモンの収穫量は、品種や木の生育状況によって大きく変動します。通常、苗木から育てた場合、植え付けから3年程度で収穫できるようになります。収穫量が本格的に増えるのは、5年目以降が一般的です。十分な日光を浴びさせ、適切な肥料を与えることで、豊かな収穫を期待できます。
収穫したレモンは、その用途が非常に多岐に渡ります。料理においては、レモンケーキやレモネードなどのデザートやドリンクに使用されるだけでなく、魚料理や肉料理の風味を引き立てるアクセントとしても最適です。美容面では、レモンに含まれる豊富なビタミンCが、美白効果や抗酸化作用を発揮します。レモン果汁を水で薄めて洗顔に使用したり、自家製レモンパックとして利用することも効果的です。さらに、レモンの皮に含まれる香り成分であるリモネンには、リラックス効果があるため、お風呂に入れたり、ポプリとして活用するのもおすすめです。
レモンの保存方法を工夫することで、より長く楽しむことができます。丸ごと保存する場合は、乾燥を防ぐためにラップでしっかりと包み、冷蔵庫で保存しましょう。カットしたレモンは、切り口をラップで覆って冷蔵庫で保存します。長期保存には冷凍保存も有効です。レモンを薄切りにして冷凍用保存袋に入れて冷凍したり、レモン果汁を絞って製氷皿で冷凍しておくと、必要な時に必要な分だけ使用できて便利です。
出典:スイーツモール

