『MATCHA(マッチャ)』と書かれた中国産?


 スタバの抹茶ラテ、コンビニの抹茶アイス、海外でも大人気の「MATCHA」文化。でも今、この抹茶をめぐって、思わぬ”国際問題”が起きています。

 中国が「うちが世界一の抹茶生産国です」と宣言し始めたんです。

 抹茶輸出、日本をライバル視? 中国で生産急拡大「中国の文化を復興させ世界に広める」 中国観察https://t.co/B85TdEDZKF

 貴州省の企業「貴茶集団」の銅仁市内の抹茶工場を訪れると、全長約280メートルの巨大な平屋建ての建物内に、全自動の加工ラインが設置されていた。

産経記者が見た、驚愕の抹茶工場

 貴茶集団の抹茶加工工場=10月24日、中国貴州省銅仁市(田中靖人撮影)

 産経新聞の記者が訪れたのは、中国南西部・貴州省銅仁市。ここに、想像を絶する規模の抹茶工場がありました。

全長280メートルって、どれくらい?

「貴茶集団」という企業の工場、まず建物の大きさに圧倒されます。全長約280メートルの巨大平屋建て──これ、サッカーコートの約3倍、東京ドームの短辺とほぼ同じ長さです。

 工場内部の撮影は認められなかったそうですが、窓越しに見えたのは防護服姿の作業員たち。案内した社員は「薬品が製造できるレベルの無菌状態。欧州連合(EU)基準に合致した製品を作っている」と安全性を強調したとのこと。

袋詰めラインに山積みの抹茶

 袋詰めのラインでは、中国の有名飲料チェーン店の包装に詰められた抹茶が山積みになっていました。全自動の加工ラインで、次々と製品が作られていく様子は、まさに「工業製品」としての抹茶生産です。

 この企業、2018年に抹茶生産を開始してから、驚異的なスピードで事業を拡大しています。

生産量の推移と計画:

 ちなみに、2024年の日本全体の生産量は5,336トン。つまり、この1社だけで2027年には日本全体を超える計算です。しかも、これは貴州省で唯一、原料の碾茶(てんちゃ)の生産から粉末加工まで一貫で行う企業。

茶畑の規模も桁違い

 この会社の茶葉を栽培する農場は、なんと約5,700ヘクタール。これは東京ドーム約1,200個分の広さです。貴州省は高地で茶葉の生産に適しており、茶の産地として知られています。

 今年の生産量約2,000トンのうち、約40%が輸出用。北米や欧州はもちろん、今年からは日本にも輸出を始めたというから驚きです。

 日本から抹茶を輸入するって、ちょっと不思議な気がしますよね。でも実際、価格競争力や供給量の面で、中国産を選ぶ日本企業も出てきているのかもしれません。

 ここで興味深いのが、生産開始時の戦略です。

日本の技術を導入!!!

 当初、この中国の会社は日本から以下のものを導入しました:

 茶樹「やぶきた」(日本の代表的な品種)

 研磨機2台

 つまり、スタート時点では日本の技術とノウハウに依存していたわけです。

 ところが、研磨機は翌年から中国製に変更。茶樹も現在では、中国で有名な緑茶「龍井(ロンジン)」用を改良した「中茶108」が主流になっているそうです。

 これ、ある意味で中国の工業発展のパターンそのもの。最初は外国の技術を導入し、すぐに国産化して規模を拡大する──このスピード感が、中国企業の強みとも言えます。

中国人は抹茶をどう飲んでいる?

 ここで意外な事実が。中国には現在、抹茶をそのまま飲む習慣がありません。

 日本のように茶碗で点てて飲むのではなく、大部分は抹茶ラテなどの飲料や菓子などに加工して消費されるそうです。

 製品のパッケージを見ると、面白いことが分かります。

 小売り用抹茶粉末の箱には、標準中国語発音の「MOCHA(モチャ)」ではなく、日本語発音の「MATCHA(マッチャ)」と表記されているんです。

 
出典:Ttrilltrill