「『たっぷり』は、試作した組合の仲間が『おいしい』と話しているのを聞いて作り始めました。もう5、6年になるかな」
そう話すのは、エダマメ栽培歴30年の湯浅和也さん。紙敷出荷組合では、市場や生協などの出荷先が求める量に応じて組合員みんなのエダマメを分配して出荷するため、栽培する品種のラインアップは全員ほぼ同じです。2~3月末まきの露地トンネル栽培で、5~6月中旬に出荷するレギュラータイプのエダマメは3品種、6月下旬からは茶豆風味の品種の出荷に切り替えます。
エダマメの品種はあまたあり、新品種も次々出ています。しかし、組合員それぞれが思い思いに導入するのではなく、まず誰かが試作し、その出来栄えを見ながらみんなで情報交換し、成績がよければ組合の品種ラインアップに取り入れていくのが、品種導入の手順です。
「たっぷり」も、2020年に試験品種の段階で組合員の1人が試作。味がよく、量も採れるということで、2023年から品種ラインアップに加わったそうです。
「たっぷり」の評価:莢が大きく、3粒が多いので収量が上がる
味がおいしいだけではなく、際立って収量が多いのが「たっぷり」の魅力だと言うのは、栽培歴14年の若手で組合長の湯浅省吾さん。「以前作っていた品種と比べると、倍くらいは採れてるんじゃないですかね」とおっしゃるほど。
エダマメの出荷形態には枝付き束、切り枝、莢もぎの大きく3種類ありますが、紙敷出荷組合では莢もぎで統一。市場には莢250gで1袋、20袋を1箱にして出荷します。「たっぷり」だと、以前の品種と比べてこの1袋がすぐにいっぱいになるそうです。
「莢そのものが大きいんですよ。あと3粒の莢が多い。だから、収量が上がるんだと思いますよ」と省吾さん。エダマメ2株で1袋分採れることも、珍しくないと言います。
また、脱莢機にかけやすい点も、組合から評価されています。脱莢機とは、回転する突起が付いたドラム状の脱莢部にエダマメの茎を投入し、突起が莢をたたき落とすことで、効率的に莢を取り除く機械です。ある程度、茎が長くないと脱莢部には入れにくいし、安全に作業する上でも問題があります。組合では、8年前から全員が脱莢機を導入したため、茎の長さが品種選びの重要な基準となっています。
「以前作っていた2品種は、片方は茎が伸びにくかったし、もう一つはめちゃくちゃ伸びて、どちらも脱莢機に入れにくかったんです。でも『たっぷり』はよく伸びるし、それでいて茎が太くて立ってるんですよね。倒れにくいし、脱莢機にも入れやすい。あと、莢離れもいいですね」と省吾さん。
莢が茎から離れやすいので、脱莢部でたたく時間が短くなり、割れる莢も少なくなります。その分、歩留まりもよくなり、さらに収量が上がる結果につながるというわけです。
✔ 莢が大きく、袋詰め作業がスピーディー
✔ 2株で1袋分採れることも珍しくない
✔ 規格外品が減り、選別作業も効率化
出典:マイナビ農業

