菓子や鍋、サワーにジュース。レモンを使った商品の人気を背景に、国産を栽培する動きが活発化している。飲料大手やドライフルーツメーカーなどが静岡や広島、大分県で参入。安心安全なイメージがある国産需要の拡大に対応する。(共同通信=増井杏菜記者)
飲料大手ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)はレモン商品に注力し、果汁100%の「ポッカレモン100」や飲料の「キレートレモン」ブランドが人気だ。
関係自治体と協定を結び、レモンを通じた健康調査や食育活動を実施。需要拡大のヒントを探っている。2019年には、瀬戸内海に浮かぶ島で有数の産地である広島県大崎上島町の50アールで自社栽培を始めた。
高齢化などの農家の課題を踏まえ、耕作放棄地を再生して栽培地を広げる支援も行う。現在、原料の9割以上は輸入だが、将来は国産に絞った商品展開も検討。原料ビジネス推進部の土屋淳一部長は「持続可能な生産環境を整え、消費者のニーズに応えたい」と話す。
果樹農業の衰退を危惧し、ポッカとタッグを組むのは農産物を扱う鈴生(静岡市)。2025年9月、輸出入事業を展開する西本Wismettacホールディングス(東京)と3社で、農業法人レモニティを設立した。
静岡県磐田市と広島県江田島市でレモンを栽培。地域の農家と連携して、流通や販路も担う。鈴生とレモニティの社長を務める鈴木貴博氏は「他の果樹と比べて栽培しやすく、温暖化で産地を広げられる可能性がある」と説明。引き継ぎ手のいない茶畑からの転換や耕作放棄地を活用し、2035年には栽培面積で両県合わせて100ヘクタールを目指す。
国産ドライフルーツを製造・販売する南信州菓子工房(長野県阿智村)は、2021年から大分県佐伯市でレモン栽培を始め、2025年は15トンを収穫した。
レモンは一番の人気商品で、年間300トンを加工している。自社栽培のきっかけは2018年の西日本豪雨。産地から調達できず苦労した経験からだ。
塩レモンブームや大分県が接する“瀬戸内”ブランドの浸透などで需要が増え、国産の確保が難しくなっている。木下裕亮社長は「自社で全てまかなえるくらい生産したい」と語る。佐伯市の農業法人では20〜30代の若手が働き、雇用創出にもつなげている。
国産レモン栽培 ほかに香料メーカーなどが参入している。
出典:Web東奥
