発見されたのは、体長数ミリほどの黒色のテントウムシ、パラステトルス・ピニコラ(Parastethorus pinicola)。九州大学の箱崎サテライトキャンパスにあるマツの木で確認された。
「こうした『目立たない』昆虫が、生態系を支えている。人々は、これほど小さな昆虫にはほとんど気が付かない。しかし今回の研究が示したように、都市部や大学のキャンパスであっても、私たちのすぐ隣に未知の種が生きている」と丸山は声明で述べている。
この発見は、ダニヒメテントウ族(Stethorini)と呼ばれる微小なテントウムシの分類を見直す、3年がかりの研究プロジェクトの一環として行われた。ダニヒメテントウ族は、主にハダニを捕食することで知られている。
今回の分類学的再検討は、日本における昆虫の理解を50年以上ぶりに大きく更新するものとなった。
パラステトルス・ピニコラは、「マツに住む者」という意味。体長はわずか1ミリ余りと極めて小さいが、研究チームが丁寧な調査で、その特徴が明らかになった。
新種が大学構内に生えている木で確認された事実は、十分に調査されていたと思われる場所であっても、ある種が見過ごされたまま生きている可能性を示している。
日本におけるダニヒメテントウ族の分類をめぐる長年の課題を解決するため、研究チームは約1700点の標本を精査し、複数種間で生じていた歴史的な混乱を整理するとともに、重要な誤同定を1件修正した。
日本で長らくステトルス・ジャポニクス(Stethorus japonicus)として扱われてきたテントウムシは、中国や東南アジアに広く分布するステトルス・サイフォヌルス(Stethorus siphonulus)と同一種であることが判明したのだ。
この整理により、日本の分類は周辺地域の記録と整合性がとれ、グループ全体の多様性に対する理解も明確になった。
パラステトルス・ピニコラの発見に加え、今回の研究では北海道の別の新種も確認された。このテントウムシはステトルス・タカコアエ(Stethorus takakoae)と命名され、日本におけるダニヒメテントウ族のリストに新たに加えられた。
出典:NewsWeek

