冬の夜、薪ストーブにくべた薪が「ジューッ」と鳴いて、炎より煙が目立つ。あの瞬間、ちょっと気持ちが萎えますよね。原因の多くは薪の乾き不足。実は電気も難しい道具もなしで、太陽+風+上面だけの雨よけを使い、冬でも乾燥を前に進める方法があります。読めば、煙やススを減らして、次の焚き付けがラクになります。
伐ったばかりの“生木”は、含水率が50~100%超になることもあります。よく燃える目安は、米国EPAのBurnWiseが挙げる含水率20%未満。これを超えると、熱が水分の蒸発に奪われて煙が増え、ガラスが曇りやすくなります。
さらに困るのが煙道の汚れ。煙が増えるほど、タール状のクレオソートがたまりやすくなります。CSIAが紹介するNFPA211の考え方でも、煙突・排気系は年1回の点検が基本。日本の冬は風向きが読みにくい日もあるので、なおさら「燃やす前に乾かす」が効いてきます。
ポイントは、薪全体を密閉しないこと。上面だけ透明の屋根(ポリカ波板や透明シート)で日射を拾い、側面は開けて風を通します。研究例では、透明被覆を使うソーラーキルンが外気より最大約24°C高くなった報告もあり、乾燥時間が約33~57%短縮した例もあります。
| 材のタイプ | 天然乾燥(シーズニング)の目安 | 針葉樹(スギマツ系など) | 最低6か月(条件で前後) | 広葉樹(ナラ・カシ系など) | 最低1年(条件で前後) |
ここで効くのが「割る・積む・上だけ覆う(側面は開放)」という基本です。日本の住宅まわりでも、軒下や庭の南側で、風が抜ける場所なら作れます。材料はホームセンターで手に入る透明シートやポリカ、下に敷くパレットや角材で十分です。
乾いた薪は二度あたためてくれる。準備するときと、燃やすときだ。
- 日当たりと風通しが両方ある場所に積む(壁際に寄せすぎない)
- 地面に直置きせず、パレットや角材で最低数cm浮かせて下からも通気
- 上面だけを透明~半透明材で覆い、雨と雪を切る(側面は開ける)
- 乾燥が進みやすい含水率30%→20%の時期を逃さず、割り直しも検討
- 主戦場は春~秋。冬は「現状維持+前進」と割り切り、晴れ間を味方にする
ぶっちゃけ僕は、この方法にしてから「今日は煙が少ないな」と体感で分かる日が増えました。薪が触って冷たくなく、乾いた音がするだけで、ちょっと嬉しいんですよね。仕上げは含水率計で確認すると安心で、数字が味方になります。
やりがちなのが、雨が心配で横までビニールでぐるっと囲うこと。これだと湿気が逃げず、逆に乾きにくくなります。上面は守る、側面は開ける。これがコツです。強い吹き込み雨の日は、風上側だけ板で軽くガードし、下と反対側の通気は残しましょう。
最後に覚えておきたいのは、乾燥は「一発逆転」ではなく積み方の積み重ねだということ。太陽と風を取り込む薪の乾燥を続けると、煙のストレスが減り、煙道のクレオソート対策にもつながります。うちでは冬の晴れ間が出た日に、つい薪の表面を触って確認してしまいますみなさんの置き場の工夫もコメントでぜひ教えてください
出典:くらしとお金の整え便り

