ハスカップ(クロミノウグイスカグラ)

 

 自分は小学生の頃、畑や田んぼに囲まれた学校で、クラスメイトの半数が農家や牧場の子供という田舎で育った。
休みの日は親に連れられ山菜採りやキノコ採りに行った記憶がある。
野性のハスカップ採りにも行った。

採ってきたハスカップの実を氷砂糖と漬けてシロップを作り、それを水で薄めてジュースにして飲んだ。
甘酸っぱい味がクセになる美味しさだった。
カキ氷にかけて食べるのも好きだった。
ハスカップジュースは夏の冷蔵庫に常に入っていて、それが当たり前だった。

いつしか採りにいくこともなくなり、その後ずっと思い出すことはなかった。
しかし6年前、モスバーガーで山ぶどうスカッシュを初めて飲んだ瞬間、一気にあの頃の記憶が蘇った。
夏休みの時、遊んで帰って冷蔵庫の中の冷えたのを飲むのが何よりも楽しみだった、あのハスカップジュースの味。
20年以上も昔のことなので味の記憶が確かではないかもしれないが、似ている味だった。
似ているが濃厚さが足りなく薄い感じではあるが。
それ以降モスへ行くと必ず注文する様になった。

ハスカップ関連の商品は地元の土産店に行くと色々あるが、全て栽培物から作られたものだ。
その中にハスカップジュースもあるが、かなりイイ値段で売られている。
今更ながら最近ふと思ったのが、自分でハスカップを採りに行けばいいんじゃない?
当時採りに行った場所は既に両親がいないので知る由もないが、たぶん厚真方面だった様な気がする。(根拠なし)
そこでハスカップについて調べてみた。

自生地は北海道各地に何箇所があるが、群生地があるのは日本の中で勇払原野(東胆振)ただ1箇所だけらしい。
しかし工業団地や住宅地の開発等により、自生のものは激減してしまったようだ。
自分が採りに行っていたのは20年以上も前の話、やはり昔とは状況が違う様だ。
そして驚いたのがハスカップの栄養価の高さで、ビタミンCはレモン並み、鉄分とカルシウムは果物の中でトップクラス、アントシアニンはブルーベリーを遥かに上回る(数十倍?)とあった。
学名はクロミノウグイスカグラ(黒実鶯神楽)、ちなみにハスカップの呼び名はアイヌ語のハシカブ(枝の上にたくさんあるもの)から由来しており不良長寿の秘薬と言われていたそうだ。
結構なスーパーフルーツ具合に驚いた。

肝心の自生場所だが、皆目検討もつかない。
山菜だと大体パターンが掴めるのだが、大人になってから野生のハスカップを見たことがない。
ハスカップは5月中旬から6月上旬にかけて白い花を咲かせ、7月になると実を付ける。
野生のハスカップがあれば、ちょうど今頃白い花を咲かせているはずなので、それを目印に探したい。

出勤前に1時間程、近くの林道沿いを何度か探したがなかなか見つけることが出来なかった。
似ている感じのものはたくさん生えている。
特にこれ、

葉は似ているが花?が違い、ギザギザ状のものが付いている。
名前が分からないが、これだったらいくらでも生えている。

今日は少し足を延ばして違うところを探そうと思う。
新緑が気持ちのいい季節になってきたが、その分目当てのものが探し辛くもなる。

蝉の鳴き声が物凄く、かなりの数が飛び回っている。

バイクで走っているとヘルメットにガンガン当たってきて、ちょっと怖いくらい。

ドリームのギヤを1速にして極低速で走りながら林道沿いをひたすら探した。
バイクを降りて森の中を歩いた方が良いのかもしれないが、自分はこのスタイルで探したい。
ハスカップに当てはまるかは分からないが山菜採りの経験から言うと、意外と人通りのある林道沿いにあったりするものである。
はなからこんな所にはないと決め付けるのは良くない、灯台下暗しである。
実は歩くのが面倒くさいというのが本当の理由だったりするが。
しかしこんな芸当が可能なのも遠心クラッチのドリームだからで、普通のオフ車だとかなりキツイだろう。
それとオフ車と比べて視点が低いということも、探し物をする上で大事な要素だと思う。

それにしても見つからない。
何か雲をつかむ様な感じがして、見付けられる気がしない。
もはや野生のハスカップが群生している場所は絶滅してしまったのだろうか?
そんな諦めかけた気持ちになった時、

おっ、この白い花はもしや…。

下から覗き込むと、

青い実が付いている。

間違いない、野生のハスカップだ。
諦めかけていただけにかなりテンションが上がったが、そのテンションは長続きはしなかった。
バイクを降りて辺りを探したが他に見当たらない。
そう、ここら辺で生えているのは、残念ながらこの1株だけである。
それでも貴重な1株なので、もちろんGPSへ登録した。

自分で言うのも何だが、よくもまあこんな1株だけを見付けることが出来たなぁと思った。
実はこの場所、以前探したことのある道である。
その時は見逃したことになるが、これは見逃しても不思議ではない。
先ほどの紛らわしい植物が回りにたくさん生えていて、探し出すのはかなり難しい。

1株だけだが野生のハスカップを見つけることが出来て、僅かながらも希望の光が見えてきた。
これも山菜に言えることだが、1つ見付かるとその近くにもあるパターンが多い。
この近くを重点的に探そうと思うが、その前にやっと目にすることが出来たハスカップをよーく観察した。
花や樹皮の形容、葉の色・形・生え方、生えている場所の特徴、これらを何度も繰り返し観察しインプットした。

これが功を奏したのか、林道を100m進んだところで再び発見!

これも1株だけで、辺りを探すも見当たらない。
しかしハスカップを見付ける眼は養えた様な気がする。

その後も同様に少し移動しては1株見付けるといったことを繰り返し、4kmの道のりを1時間掛けて探したが結局7株しか見付けることが出来なかった。
ちりも積もれば何とやらだが、これでは数が少な過ぎるし余りにも効率が悪すぎる。
はやり群生している場所というのは、もうないのだろうか。

山菜の話になるがアイヌネギは最近数が減り、自生場所を探すのは難しいと聞くが個人的には全然そう思わない。
コツさえ掴めばいくらでも見付けられる。
群生となるといくらでもと言う訳にはいかないが、それでも結構ある。

それと最近家でアイヌネギ禁止令が出ている。
アイヌネギの匂いは食べた本人は気にならないのだが食べていない人にとってはとにかく強烈らしく、かみさんから猛烈な苦情が寄せられる。
それでも醤油漬けを少しだけ作りこっそりと数本食べてはブレスケアを飲んでごまかすといったことをしているが、消費する量はたかが知れている。
そんなこともあり、アイヌネギを見付けてもちっとも嬉しくない。
しかしハスカップであれば話は違うだろう。
ジュースはもちろん、生食、ジャム、シロップ、果実酒や、塩漬けなんかにも出来る。
女の人が好みそうな用途にも使えるので、これなら大丈夫だろう。

そろそろ帰る時間なので、帰る途中一応見ておこうかなといった場所を見てみると、
えっ?たくさん生えている。

写真のもの全部とは言わないが、かなりの数がある。

しかしこの場所、それなりに車通りのある道のそばで出来ればもう少し人目の付かない場所が好ましく、場所を変えて適当な支線に入って行くとそこにもたくさんあった。
128.jpg
これはもう群生していると言ってもいいのでは?

よし、ここをハスカップの森と名付けよう。(なんじゃそりゃ)
今日は時間がないのでひとまず帰るが、後日また見に来ることにしよう。
早く7月にならないかなぁ、楽しみ。

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