サンショウ優良苗の生産

挿し木によるサンショウ苗の育成にむけて

 接木に代わる効率的な優良(クローン)苗生産条件の確立を目指して、挿し木試験を行いました。挿し木に使用する枝には、6月末のサンショウ成木から今年度成長した枝(当年枝)で実取り栽培に影響が少なそうな部分を使用しました。試験は当研究所の温室と苗畑を用いて、主に遮光と発根剤処理方法の影響についての検討を行いました。遮光条件は、遮光率50%の寒冷紗を二枚重ねにして全面を覆う条件と西側半面だけ覆い午前中だけ太陽光が差し込む条件および比較対象として遮光および比較対象として遮光がない条件を作りました。

 発根剤処理については、市販されている発根剤オキシベロンを用いて、茎の下部を3時間漬ける処理(浸漬処理)とスプレーで葉面だけにかける処理(葉面処理)を行いました。その結果、遮光を行うことで温室よりも苗畑で発根した個体が多く得られました。一番成績が良かったのは、苗畑において半面遮光した浸漬処理区で発根率は85%、ついで発根剤処理を行わず半面遮光だけでも73%の発根率でした。

 一方、無遮光では、発根率は0~7%でした。一般的には、発根剤処理を行い、湿度が高めに維持される温室の様な条件において挿し木が成功しやすい植物が多いのですが、サンショウは温室よりも苗畑で、適度な遮光をおこなうことが発根個体を得るのに適しているようです。接木に代わる簡単で効率の良い挿し木でサンショウ苗の増産ができるようになりました。
 
 
【参照先】サンショウ優良苗の生産