山菜栽培はビジネスチャンス!?山菜栽培の現状

山菜栽培の現状

 山菜は、山や野原に自生する食用植物の総称です。

 採取や収穫の時期は限られますが、近年では農山村等で栽培されているものもあります。しかし山村地域の過疎化や高齢化、また一部地域では山菜を乱獲する者などの影響で、生産量、特に天然(自生しているもの)は減少傾向にあります。

山菜の需要

 山菜はかつて山村地域で限定的に食べられていましたが、食の多様化や国民の健康志向、流通のスピードアップなどにより、都市部のスーパーマーケットでも見かけるようになりました。

 しかし山菜は、一般的な農作物に比べ収穫量が天候に左右されやすく、限られた季節にしか収穫できません。これは天然モノに限らず、栽培されている山菜においても同様です。

 昨今、野菜においては通年供給が実現できていることもあり、山菜は国内生産より輸入品が多いのが現状です。

「山菜文化産業協会」によると、ワラビの場合は、天然・栽培合わせた国内生産は760トンなのに対し、輸入品は1600トン、ぜんまいの場合は国内産が37トン、輸入品は71トンで、全体の6〜7割程度が輸入品となっています。

それでも山菜栽培はビジネスチャンス!?

 生産量が減少し、輸入品に押され気味の山菜栽培ですが、耕作放棄地に導入しやすい作物として注目が集まっています。

 山菜は寒冷地や狭小な土地でも栽培が可能と言われており、また鳥獣害を受けにくいことから取り組みやすい農作物とされています。

 秋田県北秋田市では、元々その地域に繁茂し、安定した収量と高値販売ができる見込めからゼンマイに注目。栽培したゼンマイは水煮や乾燥物に加工され、道の駅で販売されています。
 
 
 岐阜県郡上市では、山菜類が朝市や直売所で人気の高いことに着目し、「山菜王国郡上づくり」構想を旗揚げし、タラノメ栽培に取り組んでいます。タラノメは肥培管理が比較的簡単であり、水稲作業との競合が少ないことから、冬期の収入源につながるなどのメリットが挙げられています。

 京都府京丹後市では鳥獣害の被害を受けない作物としてヤマブキが普及。またかつての自生地では近年クマやイノシシが出没することから、安全面から耕作放棄地活用のメリットが生じていると言われています。

 土地や気候が栽培に適していれば、山菜栽培を行うことはできます。岩手県西和賀町の「西ワラビ」はまさに山菜栽培の成功事例と言えます。高齢化により天然モノを採取する人が減った際、町は地域特産品として安定供給するため、畑での栽培に取り組みました。

 またスギ山を切り開き、手入れし続けたことで、元々山菜の自生地だったこともあり、豊富に山菜が手に入るようになった事例もあります。

 もちろん山菜を畑で栽培するには困難もあります。種子から発芽させて新しい植物体を得る実生法は育苗に手間がかかります。山菜の種類によっては、山で自生する山菜類の根株を移植する方法があげられますが、自生しているものを闇雲に採っては、天然モノを減少させる原因になりかねません。

 天然モノを減少させないよう注意を払う必要がありますが、山菜栽培にはこれからの農業を変える可能性がありそうです。

 
出典:農業の未来を実現する