種から育てると収穫まで1年ほどかかるが、日向でも半日陰でもよく育ち、一度育ってしまえば一年に何度も刈り取れる。数十株も育てれば、週に1、2回料理に使ううちに最初に刈り取った株は再生している。ニラの無限ループである。
病気にもかかりにくく、害虫もたまにアブラムシがパラっと着く程度なので農薬も必要ない。やる気も向上心もない人は、ひとまずニラの種子を買って庭にばら播こう。それだけで、1年後には浴びるほどニラが食べられる。株は真冬に一度枯れるが翌春には球根から再び芽を伸ばす。条件が合えば2年目以降はこぼれ種子でも殖えていく。

おなじく、省スペースで農薬いらずの作物がナガイモ。こちらは1年に1度しか収穫できないが、つるを縦方向に伸ばすので敷地が狭くても栽培できる。秋に収穫して根塊の上部を埋め戻しておけば、翌年も収穫できる。肥料なしでもよく茂り、ほかのつる植物よりもつるが伸びるのが早い。病気や害虫にも強いのでグリーンカーテンにもぴったりだ。キュウリやゴーヤと比べても、痩せた土でもよく葉を茂らせる。
わがやは日の出から正午まで日の当たる東面をナガイモのグリーンカーテンにしているが、夏場は体感できるほど室温が上がりにくくなった。正午までしか日が当たらない場所にキュウリやゴーヤを植えると日照不足になるが、ナガイモは文句も言わず(言いたいかもしれないけど)、葉を茂らせて芋に栄養を蓄える。
秋にはたくさんのムカゴをつけ、このムカゴを播いておけばどんどん株が殖える。写真は市販の苗3株から殖やした(というか殖えちゃった)ナガイモ。毎年少しずつ種芋とムカゴで株を殖やしていけば、数年後には芋長者になれる。
細長く成長する品種は掘るのが大変なので、根塊が丸くなるつくねイモタイプが家庭菜園では扱いやすい。というか、長くなるタイプは絶対に植えてはいけない。1年目は掘るのも楽しめるが、2年目からはげんなりすること間違いなしだ。

少ないスペースで育ちながら、食卓への貢献度が高いのが薬味系野菜。大葉、バジル、ネギなどはそれぞれ数株植えておけば薬味を使うときに必要量を刈り取れる。とくに使い勝手がよいのが大葉だ。3〜4日休ませれば新たに再生するので、秋に枯れ落ちるまで何度も楽しめる。バジルはちょっと栄養や衝撃にうるさいけれど、大葉は痩せた土でもそこそこ育ち、雑に水をやっても風に吹かれても傷まない(バジルは水やりの水勢が強いだけでも傷む)。
放任でもすくすく育つ薬味としてはミョウガも優秀だ。しかし、地下茎でワサワサ増殖し、春から晩秋まで庭で大きな面積を占める割には収量が少ない。日陰でも育つ、というか日陰を好むので、家の北側などほかの野菜が育ちにくいスペースに植えるのがおすすめだ。

ワンシーズンに何度も刈り取れる野菜としては、ツルムラサキと空芯菜も優秀だ。ほどよい長さに伸びた若芽を収穫すると、切り口よりも根元側から新しい茎を伸ばす。これも10株程度植えておけば、野菜炒めや汁物の具材が必要になったときに重宝する。どちらも病害虫に強く、水さえあげればよく育つ。

ミツバもどこでもよく育つ。しかし、あっという間に育って硬くなってしまうので、市販されているミツバのように束にしておひたしなどに使うのは意外と難しい。うちでは春先の若いものをバサっと刈り取り、サグカレーの要領でペースト状のカレーにしている。
晩に食べれば、翌朝には怒涛のお通じが! スッキリ出る。
出典:Akimama

