アザミは、キク科アザミ属の多年草です。北半球の広範囲に自生しており、250〜300種が分布するとされ、日本でも細かく分ければ150種にも及ぶ野生種があるとされています。園芸種として流通しているのは、ノアザミから品種改良されたもので、通称はハナアザミ。ほかにもドイツアザミ、寺岡アザミ、楽音寺などの改良品種があります。もともと野山に自生している植物なので、手をかけずともよく育ち、ビギナーでも気軽に育てられます。
日当たり、風通しのよい場所が好適。半日陰の場所でも育ちますが、花つきが悪くなり、茎葉が間のびして徒長しやすくなります。暑さにも寒さにも強く、放任しても丈夫に育ちます。地植えする際は、適度に水はけ・水もちのよい土壌がよく、乾燥しやすい場所は避けたほうが無難です。
植え付けの2〜3週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。
アザミの植え付け適期は3月頃です。ただし、ほかの時期にも苗が花苗店で販売されていることもあります。入手したら、早いうちに適地に植え付けましょう。苗を購入する際は、節間が短くがっしりと締まって、勢いのあるものを選んでください。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗よりも一回り大きな穴を掘り、ポットからアザミを取り出し、根鉢を崩さずに植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、30cmほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。
庭植えの場合は、植え替える必要はありません。
【鉢植え】
鉢の大きさは、5〜6号鉢に1株を目安にします。
用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから、草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。アザミの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、根鉢を崩さずに植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝ほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。
鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。
鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢を軽く崩して古い根などを取り除きましょう。元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備して植え替えてください。
アザミを種まきで増やしたい場合、開花後に種子を採取して播くとよいでしょう。日本に古くから自生してきたアザミの種類なら、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。
開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、熟したら種を採取。アザミの種まきの適期は、10月か3月頃です。秋に種を播くと、開花まで時間がかかりますが、冬を越して春を迎えると一気に成長して育ちがよくなります。春に播くと開花までの期間は短いので、長く場所を取られないのがメリットです。寒冷地では寒さに耐えられない場合もあるので、十分気温が上がった春に播くのがおすすめ。春に播く場合は、密閉容器に入れ、翌春まで涼しいところで保管しておきましょう。
3号の黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、数粒ずつ種を播いて軽く土をかぶせます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後に間引いて元気のいい苗を1本のみ残し、その後は日当たり、風通しのよい場所で管理します。本葉が4〜5枚ついたら根鉢を傷めないように苗を取り出し、植えたい場所に定植しましょう。
アザミは、山菜として食べられているのをご存じですか? トゲが心配かもしれませんが、まだトゲが柔らかいうちの新芽を食材にします。おひたしや天ぷら、胡麻和え、汁物の具などに利用。また、根はゴボウアザミと呼ばれ、醤油漬けや味噌漬けに利用でき、あく抜きしてキンピラに調理することもできます。
紫や白などの愛らしい花を咲かせるアザミは、手をかけずとも丈夫に育ち、トゲに注意さえすればストレスなく育てられる植物です。若い芽は食用できるのもいいですね。ぜひ庭やベランダで育てて、野趣あふれる花姿を愛でてはいかがでしょうか。
出典:Garden story



