行者にんにくは、シャキシャキした食感と、にんにくのような強い香りが特徴の山菜です。滋養強壮効果が高いネギ属の多年草で、その昔、山で修行をする行者が活力源として食べていた事から、行者にんにくという名前が付けられたとされています。名産地の北海道では、アイヌネギとも呼ばれています。
行者にんにくは天然物と栽培物の2種類があり、一般的にスーパーなどに流通するのは栽培物になります。天然物は北海道などの涼しい気候の場所でしか育たず、天然物を見つけ出すことはなかなか困難と言われています。また、近年では豊富な栄養価や滋養強壮効果による人気ゆえに乱獲され、天然物が減少していることや、収穫のタイミングも一週間ほどしかないことから、幻の山菜とも呼ばれている貴重な山菜です。
行者にんにくは種から育てた場合、収穫できるまで3年から5年以上かかる山菜です。最短で3年物から収穫が可能ですが、収穫してしまうと、苗がやせてしまい、元の大きさに戻るまで2年程かかります。そのため、若葉が2枚以上となり、茎が割り箸ほどの太さになる、5年以降から収穫するのを推奨しています。
収穫できるまで一番年月を要する方法です。行者にんにくは4月になると、2枚葉と3枚葉になる行者にんにくが出てきます。3枚の葉の方に種を実らす蕾が付きますので、種を採取する場合は、若葉を収穫しないようにします。緑色の種が黒くなった時が、種採取のタイミングです。種を採取したら、種と殻を選別し、種を畑に撒きます。発芽が成功すれば、翌春に発芽し、1枚葉の1年目の行者にんにくが顔を出します。発芽率は30%~50%と言われています。種から育てる場合は、収穫できるまでは最低でも3年掛かりますので、収穫用と栽培用の畑を分けて栽培するのを推奨します。
行者にんにくの時期になる3月下旬から4月になると、ホームセンターや通信販売で行者にんにくの苗の販売が始まります。畑やプランターに植え替えするだけなので、簡単に行者にんにくの栽培を始められます。4年~5年物以上の苗根は翌春から収穫も可能ですので、初心者の方にオススメの方法です。
行者にんにくは根から育てるのも可能です。根から育てる場合は、葉が枯れる9月以降、インターネット等で苗根の販売が始まります。植え付けから7年~8年経過したものや、10年物の根も販売されています。秋口に畑に植えて、翌春に収穫を楽しみたいのであれば、4年~5年物以上の苗根がおススメです。翌春から収穫したい、数を増やしたいという方は、根から育ててみてはいかがでしょうか。多年草の栽培では、数年成長した苗根を購入して栽培するのが、最も確実な方法です。
行者にんにくの最も簡単な増やし方は、株分けして増やす方法です。種から増やすこともできますが、年月を要しますので、株分けが一番簡単な方法です。株分けの時期は、葉が枯れた後の8月下旬から9月頃となります。畑に植えている行者にんにくの株を、根を切らないように掘り起こし、複数個の苗根がまとまっている状態から一つずつ手で割って、一株ずつ植え付けします。株分けをくり返していくことで、行者にんにくを増やしていく事が出来ます。
半日陰で水はけの良い場所が適しています。行者にんにくは夏場の直射日光や乾燥に弱い植物ですので、直射日光が当たる場所は避けます。直射日光が当たる場所の場合は、遮光ネットを貼って暑さ対策をします。遮光ネットを貼れない場合は、行者にんにくの周りの雑草をあえて刈り取りせず、高刈りをすることで、半日陰の状態を作ることができます。
収穫時期は4月~5月頃になります。葉っぱが垂れてしまう前の、柔らかい若葉の頃に収穫ください。行者にんにくは2枚葉と3枚葉になる行者にんにくがあります。3枚葉の方は種を実らす蕾が付きますので、3枚葉の方は収穫せず、2枚葉の方を収獲します。
出典:あまね

