ヤマユリは花後に莢のような実をつけ、その中にたくさんの種を作ります。この種を土に播くことで株を増やせるのですが、花を咲かせるようになるまで時間がかかります。
鱗片挿しをして増やすのも楽しいですが、種からじっくりと育ててみると、花が咲いた時の感動ははかりしれません。
種を入手することができたら、ぜひチャレンジしてみてください。
- 開花後にできた鞘から種が飛ぶ
- 種は冬の寒さと夏の暑さを経験しながら、地下で根を伸ばして小さな球根を作る
- 冬と寒さと夏の暑さを経験した後、ようやく地上に芽が出る
- 発芽1年目は葉1枚で過ごし、秋になると地上部が枯れる
- 発芽2年目は葉が数枚になるが、背丈はさほど大きくならず、秋になったら地上部が枯れる
- 発芽3年目は、ある程度茎が伸びるものもあり、中には蕾がつくこともある
- 発芽4年目にして、ようやく背丈が伸び始めて大きな蕾をつける
ヤマユリは長い年月をかけてゆっくりと生長していきます。
種播きの翌年に発芽しなくても、地下では根が伸び小さな球根となっています。
次の年にようやく発芽した後も、何年もかかって地下の球根を肥らせ、株を充実させていきます。
種を播いても、自然に任せていれば、発芽して目に見えるようになるまでに、1年半かかることになります。
種から育てたヤマユリを咲かせたいのであれば、発芽しないからと諦めてはいけません。
気長に待つことも、ヤマユリを育てるのに必要な要素です。
まずは種がなければ始まりません。
自分で育てたヤマユリなどから種をとります。
花後にできる鞘のようなものは、中に種が整列しています。
1個の鞘にはたくさんの種が入っていますが、中には未熟な種が多い場合もあるので油断はできません。
鞘が完全に割れたものは、中の種が飛んでなくなっていることがあるので、鞘にひびが入って中が少し見えるくらい割れているものが理想的です。
鞘ごと収穫したら、ザルなどの上で風で種が飛ばないように注意して、中から種を取りだします。
種を取りだした後に必要なことは、乾燥と選別と消毒です。
鞘から取りだしたばかりの種は、まだ湿っていることがあります。
湿ったままの状態だと、すぐに傷んでしまうこともありますし、選別が難しくなるので、乾燥させましょう。
手で軽くもむようにして種をばらけさせた後、新聞紙などの上に広げて3日~4日ほど日陰で乾燥させます。
ヤマユリの種は直射日光を嫌うので、必ず日陰で乾燥させるようにします。
種は薄い茶色~濃いベージュ色で、大きさもさほど変わらないので、どれが良い種か見ただけでは分かりません。
種は重みのあるものほど良い種とされていますが、1粒ずつ持っても、小さすぎて重さをはかることができません。
そこで、良い種と悪い種の重さの差を使って選別を行います。
種を1メートルくらいの高さからパラパラとこぼすと、軽い種が風で飛び、思い種は下に落ちます。
また、浅いザルや盆などに種を入れ、それをフライパンを振るようにすると、軽い種が上部に集まってきます。
重い種を残すことで、良い種を播くことができるようになります。
ヤマユリは病気にかかりやすい植物です。
しかも発病した場合、薬剤などを使っても完治が難しくなります。
できるだけ病気にかからないよう、種の時点で消毒しておきましょう。
バケツなどの容器に乾燥・選別した種を入れ、500倍に薄めたベンレート水和剤を入れます。
薬液に種を漬けた状態で30分放置し、その後は日陰でよく乾燥させます。
ヤマユリの種は軽く、薬液に漬けている間に浮いてくることがあるので、よく混ぜて表面に薬液がつくようにし、重石をしておくのがお勧めです。
消毒が終わって乾燥したら、最後にもう1度選別を行います。
選別方法は消毒前のやり方と同じで構いません。
2回選別することで、良い種が残りやすくなります。

