種がないピーマン=写真=を栽培する神奈川県平塚市一帯で、収穫が最盛期を迎えている。JA湘南の呼びかけで、2020年から栽培。
調理時に面倒な種抜きが不要で、飛び散る種を掃除する手間もかからない。食べると肉厚でみずみずしく、苦みは非常に少ない。
「ピーマン嫌いの子どもが食べた」「筒状に肉詰めをでき、種の生ごみも減る」と好評だ。今年から年2回の収穫に挑戦し、世界的にも珍しい種なしピーマンの特産地を目指す。(西岡聖雄)
JA湘南によると、トマトが近年、全国的に供給過多となって価格が上がらないため、総合園芸会社「横浜植木」(横浜市)が世界で初めて開発し、一六年から販売する種なしピーマンに着目。差別化戦略として、管内のトマト農家に栽培を呼びかけた。
昨年十月に「JA種なしピーマン出荷組合」を設立。平塚市の四戸、伊勢原市と大磯町で各一戸の計六農家で安定出荷を保つ。
現在は一月ごろに苗を植え、三~七月に収穫し、年間十五、十六トンを生産している。
収穫後も再び成長して実るため、組合長の行谷(なめがや)誠一さん(65)は「今年から九~十二月も収穫する」と話し、生産量を増やしていく。
行谷さんによれば、トマト栽培より手間はかかるが、通常のピーマンより四割高い卸値で売れ、単位面積でトマトより収益が三割増えるという。
「これから参入が見込まれるトマトやキュウリ農家に指導できるよう、摘み取り、追肥など各種ノウハウを蓄積したい」と意欲を燃やす。
横浜植木は、ビタミンやミネラルなどの栄養が豊富なピーマンの調理を手軽にしようと一九九八年、種なしピーマンの開発を始めた。詳細は企業秘密だが、花粉がなく受粉できないのに大きな実をつける品種に改良。その種を植えると種なしピーマンになる。
近くに普通のピーマンやパプリカがあると虫を介して受粉して種をつけ始めるため、受粉を防ぐハウス栽培が必要。ホームセンターなどで家庭菜園用の種や苗も市販しているという。
JA湘南の飯田将成さん(32)は「種なしピーマンはバーベキューにも合い、米の『はるみ』と並ぶ湘南の特産にしたい」と力を入れる。
商品名は「タネなっぴー」。販売は平塚市寺田縄のJA湘南直売所あさつゆ広場=電0463(59)8304=やスーパーなど。
出典:東京新聞

