どうする家庭の生ごみ 土づくりへ活用さらに

家庭から出る生ごみなどのバイオマス

 水分が8割以上の家庭系生ごみや剪定枝、雑草などは多くの自治体が可燃ごみとして収集し、燃やしている。生ごみを燃やせば、大量の二酸化炭素(CO2)を出し、温暖化を加速させる。日本は世界一のごみ焼却国。輸入肥料の高騰が続く中、生ごみをもっと土づくりに生かそう。

 家庭から出る生ごみなどのバイオマス(生物由来資源)には、土づくりに欠かせない多様なミネラル(微量必須元素)が含まれている。だが、生ごみだけを収集する手間や時間、費用がかかり、多くの自治体で焼却処理されている。これは実にもったいない。良質な土をつくる、土壌微生物の貴重な“餌”を燃やしてしまうことになる。

 政府は2000年、年間100トン以上排出するホテルや飲食店などの事業所に対し、肥料や飼料などに再利用することを求める食品リサイクル法を制定した。注目したいのは、その際に「家庭生ごみも検討する」という付帯決議がされた点だ。

 だが、どうだろう。法整備から24年たってもなお、国を挙げて家庭生ごみの再利用を進めようという機運は盛り上がらない。ドイツやフランス、韓国などは生ごみの資源化を法律で義務付けている。

 生ごみを燃やせば、大量のCO2と水蒸気、排熱が生じ、温暖化を加速させる一因となる。NPO法人生ごみリサイクル全国ネットワークの福渡和子副理事長によると、水1グラムを0度から100度まで上げるには100カロリーを要し、100度に達した水1グラムを完全に蒸発させるには、さらに5倍以上の熱量が必要という。福渡さんは生ごみを軽量化し、悪臭を防ごうと風で乾燥させて保管する通気性容器を開発、各地で普及している。

 生ごみ堆肥は、良質な土づくりにつながる。農水省も、みどりの食料システム法で環境負荷の低減に向け、土づくりを推進している。身近な資源を活用しない手はない。

 自治体の中には、生ごみを堆肥にしたり、バイオガス発電に活用したりする事例が出ててきた。栃木県茂木町などは生ごみの分別収集を実施し、堆肥として活用している。徳島市は、生ごみを家庭で処理できる容器の利用を推進し、可燃ごみの呼び方を「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」に変更、市民の意識を高めている。国を挙げてこうした動きを広げたい。

 スチーミング調理技術研究会の平山一政代表は、生ごみや雑草、剪定枝を80度1時間蒸して細かく裁断することで、堆肥化のスピードが格段に上がることを突き止めた。

 生ごみを宝に変え、燃やさないことが当たり前の時代にする必要がある。

 
出典:日本農業新聞