『昔はね…』があふれる、干し柿づくりのひととき

昔を思い出し楽しい干し柿づくりの思い出

 今年は柿の生り年なのか、あちらこちらでたわわに実った柿の木を目にする機会が多くありました。
 施設の前にも柿の木があり、リビングからその様子がよく見えます。

「ああ、おいしそうな柿があんなにいっぱいある」
「久しぶりに柿が食べられたらな」
「そこまで行って取ってこようか」

 そんな声を、日々の暮らしの中で何度も耳にするようになりました。
 そのやり取りの中から、職員より
「せっかくなら、干し柿を作ってみませんか」という提案があり、今回の干し柿づくりが始まりました。

 皮むきの作業では、安全面に配慮し、まずはピーラーを使って行っていましたが、「やっぱり柿は包丁でむかんとできん」
「包丁の方が、きれいにむける」と話される方もおられました。

 危なくないだろうかと、職員が少し及び腰になる場面もありましたが、実際に包丁を持たれると、その手つきはとても落ち着いており、丁寧で、長年の経験が感じられるものでした。
 その姿からは、これまでの暮らしの中で身につけてこられた力が、今もしっかりと息づいていることが伝わってきます。

 皮をむいた柿を吊るすと、半日も経たないうちに
「美味しそうな柿が干してあるな」
「もう食べれるんじゃない?」
 と、楽しそうな声が聞かれるようになりました。

 それから約1か月間、
「もう食べれるだろうか」
「今日はどうや?」
 というやり取りが、ほぼ毎日のように続きました。

 そして、いよいよ試食の日。
「まだ早いんと違うかな」と少し心配もありましたが、食べてみると想像以上の出来栄えでした。

「やっぱり柿はええなぁ」
「上手い事できたな」

 そんな言葉とともに、皆さんで美味しくいただき、自然と笑顔がこぼれる時間となりました。

 干し柿づくりは、季節を感じる行事であると同時に、入居者様一人ひとりの経験や想いが形になる、大切な暮らしの時間でもあります。
 これからも、日常の何気ない声を大切にしながら、その方らしい生活につながる支援を続けていきたいと思います。

 
出典:施設だより