長野県南安曇農業高校(安曇野市)と県が連携して進める下水汚泥肥料の利用・普及に向けた取り組みが、農業高校として初めて、2025年度の国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」に選ばれた。水稲の生育状況や土壌への影響を継続的に調べ、県内で初めて肥料登録を受けたことなどが評価された。
同校は県犀川安曇野流域下水道事務所と「下水汚泥肥料化検討に係る協定」を締結し、同事務所が提供した消化脱水汚泥を使った水稲の栽培試験を23年にスタート。結果を基に、安曇野終末処理場(アクアピア安曇野)で発生する下水汚泥が肥料登録された。
登録後は利用拡大を目指し、同校生物工学科微生物活用コースの2、3年生が生育試験を続けている。
本年度は「風さやか」「コシヒカリ」をそれぞれ三つの試験区に植えて、収量の比較と土壌分析をする。試験区は各1アールで①汚泥肥料(200キロ施用)②化学肥料施用③無施肥──に設定。収量の増減、残留する肥料成分や重金属などの土壌への影響もまとめる。
8日には、生徒が「コシヒカリ」の稲刈りをした。収穫時のもみ重量は、汚泥肥料区で85・4キロ、化学肥料施用区で69キロ、無施肥区で35・6キロだった。化学肥料と同等以上の収量を確保できた。
同コース3年の伊藤瑞希さんは「下水汚泥は資源。化学肥料が高騰する中、汚泥肥料は安価で農業経営に大きなメリットがある。流通や施用方法の課題はあるが、農家に使ってもらうため研究を続けたい」と話す。
同3年の高取茉帆さんは大臣賞受賞に「下水・汚泥の言葉に悪い印象を持たれがちだが、賞を通じて多くの人に資源としての価値を知ってほしい」と期待した。
健全な水循環、資源・エネルギーの循環を創出する取り組みを表彰するもの。同校はイノベーション部門で受賞し、他に防災・減災部門、広報・教育部門など5部門ある。25年度は計11の取り組みを大臣賞に選んだ。
出典:Yahooニュース
