シシウド 黒森山

 シシウドの葉は大きく、2回から3回分かれる羽状複葉。花をつけない個体は根出葉を数枚付けるだけであるが、複葉であるので、広く地面を覆っている。複葉なので単葉とは異なるが、葉の数が少ないと一旦ダメージを受けると被害が大きい。風当たりが強くない、肥沃な場所で大きく成長できる。

分布生育場所
科名:セリ科/属名:シシウド属
和名:猪独活/生薬名:独活(どっかつ)/学名:Angalica pubescens
日本全土の山野に自生(じせい)する大型の多年草

見分け方・特徴

シシウドは、山地に生える大型の多年草で、根は太くごつごつした直根で白色をしていて、花茎(かけい)をつけるまでに4~5年かかり、花が咲いて実をつけると枯死してしまいます。
茎は太く中空(ちゅうくう)の円柱型で、直立して高さは2メートルにも達し上部で分枝して、茎葉には甘香がします。
葉は、大きく2~3回羽状に分裂する複葉(ふくよう)で、長さが1メートルにも達する場合もあり、葉柄(ようへい)の基部は鞘(さや)になって膨れていて茎を抱きます。
花は、7~8月ころ茎頂(けいちょう)に、大型の複合散形花序(ふくごうさんけいかじょ)に、白色5弁の小花を多数つけます。
果実は、両側に広い翼がある平たい楕円形の分離果(ぶんりか)で、紫色をしています。

新潟県には、葉裏に毛のないケナシミヤマシシウドが多く自生しています。

採集と調整
シシウドの根は、太くゴツゴツした不斉形の直根で、秋に掘り取り、よく水洗いして縦割りにして、風通しのよい場所で陰干しにします。
ほとんど乾燥したら、数時間日干しにして、仕上げの乾燥をします。
これを生薬(しょうやく)で、独活(どっかつ)といいます。

薬効・用い方
独活(どつかつ)は、鎮痛、鎮静、血管拡張作用が知られています。
後背部の筋間や下半身の関節の風湿などで背部、腰部、臀部(でんぶ)、膝部(しつぶ)のだるい痛みや両足のしびれなどの症状に適しています。
しめつけられるような頭痛、頭がぼんやりするような場合、頭が重いときなどの感冒の場合にも効果があるとされています。
独活(どつかつ)10グラムを1日量として煎じて、3回に分けて服用します。
注意として、独活(どつかつ)は温性ですので、盛夏には用いない方がよいし、かぜで熱が高く悪寒(おかん)がない場合にも用いません。

リューマチ、神経痛、冷え性には、独活(どつかつ)300グラムを木綿の袋に詰めて、風呂に入れてそのまま沸かして、薬湯に全身をゆっくりと浸すと効果があるとされます。

ウドから調製する生薬が、和独活(わどっかつ)の名前で市場にでることがありますが、和独活(わどっかつ)は、ウドの根を指すのであって、ウドはウコギ科植物でありシシウドとは異なります。
ウドの根の部分の生薬名は和?活(わきょうかつ)といい、独活(どっかつ)と同様に発汗、解熱に用いられます。

その他
シシウド属の学名は、アンゲリカといい、ギリシャ語のアンゲリコスやラテン語のアンゲルスであって、天使のことを表します。
それは、シシウド属の植物には非常に薬効が著しいものが多くあるので、その効き目を天使の力にたとえたものです。

シシウドの名前の由来は、全体がウドに似ていて、ウドより大きく猪(しし)が食べる大きさということで名づけられたといいます。
別名として大型のことから、馬うどという呼び名もあります。

ヨーロッパ産のアンゲリカとは、信仰と深い結びつきがあり、このアンゲリカについては、ひとりの天使が伝染病のペストに効くと予見したことから始まったとされています。
それは、悪魔や魔女たちの魔法や呪文(じゅもん)を封じることができる特別な、魔よけ植物としてや、または、伝染病に冒(おか)されることを防ぐことができる植物として考えられ、伝えられてきました。
また、実際にヨーロッパでは、古くからほとんどの慢性病や災難などの治療薬として用いられていました。
【参照先不明】