由来と特徴
- 名がミヤマイラクサのイラクサ科ムカゴイラクサ属の宿根草で、全国の山地の谷間や林床に自生します。
- 東北地方ではアイコの名称が一般的です。
- 形状が似ている植物に、食用にしないイラクサ(和名)がありますが、イラクサはイラクサ属で葉が対生、アイコ(ミヤマイラクサ)はムカゴイラクサ属で互生するため区別できます。同じ属の食用にしないムカゴイラクサ(和名)は葉腋にムカゴが着生すること、葉は互生しますが、葉の形状がやや異なることから区別することができます。
- 雌雄同種の植物で、雌花序は株の上部に、雄花序は株のやや下方の葉腋に形成されます。外観からは花序の上部に雌花が、下部に雄花が着生しているように見えます。山形県では8月上旬頃に開花し、10月に種子が稔実します。
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生育が進んだ茎に着生する刺毛に触れると、痛みやかゆみを感じますが、加熱調理すると、ほとんどなくなります。この原因は、刺毛から分泌される蟻酸やヒスタミンなどといわれています。
- 種子には休眠があって、一般には、自然の低温に遭遇した後、春になってから発芽を開始します。
- 茎は、生育が進むにつれて木質化し、草丈は100cm程度まで伸張し、自生地ではブッシュ状になります。
- 自生地による系統の差異はほとんどありません。
- 日照条件は、直射日光があたらない木陰などが適しています。
- おひたし、油炒めや和え物などに料理されます。くせのない食味のため、山形県では、とても人気のある山菜です。
- 種苗の入手は、既存の栽培者から直接導入する方法のみになります。
- 宿根性の山菜ゆえに雑草対策がポイントです。自生地の環境条件を考慮しながら創意工夫してください。
増殖方法と育苗
- 増殖は、実生、挿し芽、株分けの3とおりの方法があります。
- 大量増殖には実生繁殖が適します。
- 実生繁殖では3年、株分けや挿し木繁殖では2年の養成が必要です。
- 種子が稔実する時期は、山形県では10月下旬です。
- 種子が飛散する直前に採取し、ただちに播種します。種子が過乾燥すると発芽率が極端に低下します。未熟気味の種子(青みが残る種子)でも十分発芽します。
- 播種後、自然の低温を受け、地温が上昇する翌年の春に発芽をはじめます。
- 種子を保存する場合は、0~5℃の冷蔵庫で乾燥しないように密封します。保存期間が30日以上になると種子の休眠がなくなります。休眠が覚醒すると低温でも発芽しやすくなるので注意が必要です。
- 播種床は翌年度の管理作業を考慮し、日陰の圃場を選びましょう。
- 播種床には、あらかじめ、堆肥を1a当たり150kg、基肥として、チッソ成分で1.5kgの有機質肥料を施用して準備します。
- 播種は条播し、間隔は10cm、ベッド幅は作業性を考慮し、100cmが一般的です。
- 本畑1a当たりに必要な苗床の面積は3㎡程度です。
- 播種後は種子が隠れる程度に覆土し、軽く鎮圧後、播種床が乾燥しないように日除け資材で被覆します。
- この状態で越冬し、翌年の6月上・中旬に、チッソ成分で1.5kgの有機質肥料を追肥します。
- 翌春、発芽後に株間5cmに間引きます。間引いた株は補植用として活用できます。
- 育苗圃が日向の場合は、遮光率70%程度の資材で日除けします。夏期に苗圃が乾燥する場合はかん水が必須です。
- 定植時期は通常は10月です。翌春になる場合は早春に定植してください。
- 株元に多くの芽を形成します。そのため、多くの苗を確保することができます。
- 1株に5個程度に芽が着いた状態になるように分割してください。1芽分割も可能ですが、さらに1年間の株養成が必要になります。
- 定植時期は10月が基本ですが、翌春になる場合は早春に作業を行ってください。
「実生繁殖」
「株分けの場合」
定植圃場は、排水が良いことが前提です。堆肥を1a当たり400kg以上施用して、土づくりを行ないます。
弱光化でも良く生育します。夏季に高温で乾燥しやすい地域では、遮光率70%程度の資材で日除けを行います。ただし、夏季冷涼な中山間地域では遮光は必要がありません。
遮光が強すぎると雑草は繁茂しにくくなりますが、茎立ち数の減少など、生育は、逆に不良になる傾向があります。
肥料は必要ありませんが敢えてやる場合の施肥は、基肥と追肥を合わせて、窒素成分で1a当たり2kg程度を施します。
栽植距離は、うね幅100~120cm、株間20~30cm、1~2条植えです。
定植後は、随時、除草が必要です。
定植2年目の春から収穫することができます。
収穫は、伸びた若芽が20~30cm、本葉2~3枚が適期です。収穫期間は、やや遮光を強くすると葉の展開が遅くなり、充実したものを収穫することができます。
充実した株からは、収穫につれ、次々と芽が伸長してきます。株当たり2、3本を残すと、次年度も収穫を継続することができます。
はさみ等で収穫し、100~300gに結束して出荷します。
収量は、株養成の程度によって異なりますが、おおむね1a当たりで50kgです。
出典:みんなの農業広場




