草花、観葉植物、庭木などで行う、繁殖方法の1つです。
取り木の目的は2つあります。1つは繁殖のために数を増やすこと、もう1つは弱った根の代わりに新しい根を作ることです。
増やしたい植物の幹や枝の一部の表皮を切り取って、そこから発根させて新しい株元を作り、十分に発根したら根の下を切って、新たに植え付けます。
取り木で発根させる部分の表皮を切り取る行為を環状剥皮(かんじょうはくひ)と言います。環状剥皮によって、取り木の発根率が高くなります。また、環状剥皮した部分に発根促進剤を塗っておくと、より発根率が高くなります。
発根させたい部分を清潔なナイフで縦に2〜3cm切り込みをいれる
切り込みから1周分の外皮をきれいにはがす(環状剥皮)
外皮のない部分に発根促進剤を塗る
4~6月頃、湿気が多く気温が高い時期が、取り木の適期です。1本の樹木で何ヶ所でもできますが、株や根への負担が大きくなるので、樹木1本で1ヶ所にとどめておきましょう。
また、「圧条法」「盛土法」は、発根部分が確認できないため、発根目安の日数から親株と切り離すまで、さらに数ヶ月ほどの時間をおくと成功率が高まります。
取り木の主流の方法は、「高取り法」「圧条法」「盛土法」の3つです。
挿し木ができる植物であれば、ほとんどが取り木で増やすことができます。また、挿し木が難しい植物でも、取り木ならば数が増やせる植物もあるので、いくつか代表的な取り木で増やせる植物も混ぜながらご紹介します。

茎や枝の一部を傷つけ、その部分を水苔で覆って発根させ、切り取る方法です。
- 水苔を1〜2時間水に浸し、手でほぐしながら長い繊維を集める
- 環状剥皮した部分に水苔を団子状に巻きつけ、厚みにムラが出ないように調節する
- 水苔の乾燥を防ぐため、さらに上から透明なビニール(袋)を巻きつける
- 湿度を保つためビニールの上下をヒモでしっかり縛る
- 十分な発根が確認できたら親株から切り離す
- ビニールを外し、水苔を軽く取って植え付ける
- ゴムの木:5〜6月頃
- ウンベラータ:4~7月頃
- もみじ:6月頃
- 梅:4~6月頃
- イチョウ:6〜8月頃
- サルスベリ:6〜7月頃
- ガジュマル:5〜9月頃
- ドラセナ:5〜9月頃
圧条法(普通取り木法/枝伏せ法/えん枝法/傘取り法/伏せ木法/曲げ取り法)
茎や枝を曲げ、株元近くの土中に茎や枝の一部分を埋め、発根させてから切り取る方法です。
- 水やりを控えて、枝や茎が折れにくく曲がりやすい状態にしておく
- 元気で若い外向きの枝を選び、折らないように地中まで曲げる
- 枝が地表に出てくるようであれば、針金などで固定する
- 土を乾燥させないように水やりをする
- 十分に時間をおいて発根したら、根を傷つけないよう親株と切り離して植え付ける
- オウバイ:3〜4月と9〜10月下旬頃
- クチナシ:5〜6月と8月中旬〜9月頃
株元の土を増やして地表の位置を上げ、発根させたい枝元まで土で埋め、発根させて切り取る方法です。
- 環状剥皮した枝元が埋まるまで株元へ土を追加する
- 通常通りの水やりで育てる
- 雨や水やりで土が減りやすいので、都度追加する
- 十分に発根したら、根を傷つけないよう親株と切り離して植え付ける
- ヤツデ:5〜6月頃に親株と切り離す
- モクレン:4~6月頃
挿し木が切り取ってから発根させるの対し、取り木は発根させてから切り取ります。また、挿し木は剪定した枝などを使いますが、取り木は主茎だったり、太めで強い茎や枝を利用したりすることが多いです。
そのため、挿し木に比べて数は少ないものの、取り木後の生長速度が挿し木よりも断然早いことが、取り木のメリットです。
出典:ホルティ

