葉っぱビジネス

出典:株式会社いろどり 事業構想

「葉っぱビジネス」とは
“つまもの”、つまり日本料理を美しく彩る
季節の葉や花、山菜などを、
栽培・出荷・販売する農業ビジネスのことです。
山あいだからこそ生まれた葉っぱビジネス

四国にある徳島県上勝町は、人口約1500人、高齢化率50%を超える町です。
徳島県のほぼ中央に位置し、徳島市からは約1時間の山あいにあります。地形は平地が少なく急峻で大規模農業には向いていません。
農業には不利なようにも見える地域ですが、山あいの地形・冷涼な気候、高齢者の知恵があり葉っぱビジネスには最適な場所でした。

地域資源の「葉っぱ」に着目

自信と誇りを取り戻すには、この町でなければできない仕事をつくらなくてはいけない。何かないのかと思案していたところ、大阪の料理屋で運命的な出会いを果たした。店にいた女性達が、料理に添えられていた赤いもみじを見て「これかわいい」「持って帰ろう」とはしゃいでいた。その光景を見たときに「これだ!」「そうだ、葉っぱを売ろう」と気づいた。

地域にあるものこそが宝! ピンチが生んだビジネス

1980年頃までの町の産業であった木材や温州みかんなどは厳しい局面をむかえていました。1981年には局地的な異常寒波が上勝町を襲い、みかんが枯死し大打撃を受けたのです。その後町内では、軽量野菜や、椎茸栽培など試行錯誤していました。そんな中、当時農協職員だった横石知二(現・当社代表取締役社長)が、町の半数近くを占める高齢者や女性が活躍できる仕事はないかと模索していました。そして、1986年に町の山々にある葉っぱをつまものとして販売しようと発案。ブランド名『彩(いろどり)』として『葉っぱビジネス』がスタートしました。

葉っぱビジネスの仕組み


営農戦略・栽培管理は農家、受注・精算・流通は農協、市場分析・営業活動・システム運営は私たちが行う、三位一体のビジネスです。
特徴は、商品が軽量で綺麗であり、女性や高齢者が取り組みやすいことです。多品種少量生産であり、種類は300以上、1年を通して出荷しています。現在上勝町内の農家は約150軒。彩の年商は平常時約2億円でしたがコロナ禍で約1億5000万円(令和2年度)に落込んでいます。年間売上が約1000万円のおばあちゃんもいます。

葉っぱビジネスがもたらしたもの

高齢者や女性達に出番と役割ができ、町に活気が生まれました。「葉っぱビジネス」の仕事で「忙しゅうて、病気になっとれんわ!」というおばあちゃんもいます。
地方創生のモデルとしてメディアにも度々取り上げられるようになりました。 2012年吉行 和子さん主演で映画『人生、いろどり』になりました。全国ホール上映となり約15万人が来場されました。 上勝町への視察者が増え、農業体験希望者や移住希望者も増えました。