ミカンの緑枝接ぎ(呼び接ぎ)に挑戦!

出典:アルスコーポレーション

 

「緑枝接ぎ」は木の生育中にも行える

 「人は世につれ、世は人につれ」ではありませんが、園芸植物の品種にも流れがあり、油断をしていると、欲しかった品種を入手しそこなうことがしばしばあります。欲しい品種を見つけたら、先ず声(手)を出しておきましょう。
 その第一号をお受けすることになりました。

 我が家で「紀州小ミカン」というのを栽培していましたら、それを欲しいという方が現れたのです。
 園芸の楽しみは色々とあるようですが、育てている植物を所望された時の嬉しさは格別です。

 早速、苗木作りです。
 ミカンの接木(切り接ぎ)適期は4月中旬から5月中旬、9月中旬から10月中旬とされていますが、接木後の管理を工夫すれば、この時期以外でも行えます。

 今回は生育中の台木と接ぎ穂を使った「緑枝接ぎ(呼び接ぎ)」に挑戦します。
 というのも、知人に一日でも早く苗木をお届けしたいので。

 「緑枝接ぎ」は木の生育中に行えるので、今回の場合は「切り接ぎ」よりも早く苗作りが出来ると思います。それにもし失敗しても、来春に「切り接ぎ」を行えばよいのですから。

 今回はポットで育てていたユズの実生苗を使いました。
 とにかく、乾燥させないことが大切!

 用土を少なくして水を含ませた水苔で根を包み、さらに乾燥しないようにビニールシートで包んでおきます。

 最後に、熱がこもり高温になるのを避けるため銀紙で包みました。
 厳密にはカラタチの実生苗がよいとされていますが、ユズや夏ミカンの実生苗でもOK!

 写真のように、接ぎ穂と台木の突出している部分を、接合させます。
 今回はこのあたり

 台木を削って…

 接ぎ穂も削ります。

 木質部がはっきりと見える状態まで削ってください!よいしょ!よいしょ!

 削ったところがちょうど重なるように!

 密着させるためにクリップなどで挟みます。

 密着度が弱い時は、テープで巻くのも有効です!

 風でゆれて台木が落ちないように、支柱で枝を固定します。
 ヒモで台木と支柱をぐるぐる巻けば、安定感が増します。
 これで完了です。