緑の濃い野菜はキケン!? 本物の野菜の見分け方

出典:つむぎオンライン

緑の濃い野菜はキケン!

 写真は大根の葉を上から見たものです。左側の葉の色が淡く、右側は濃くなっています。左と右、どちらが本来の色味だと思われるでしょうか。

 左が肥料を使っていない自然栽培野菜の葉の色味です。そして、右側が肥料を使って育った野菜の葉です。葉もの野菜を見分けるときも、この色味に注意する必要があります。ぜひ淡い緑色の葉ものを選んでください。

 ほうれん草や小松菜などの葉物は「緑が濃いもの」が元気で良いものというイメージがあるかと思います。その理由については「葉緑素」とか「栄養が詰まっている」からといわれています。本当に「緑が濃いもの」は体に良いのでしょうか?

 公園の草も空き地に生える植物も、売られている小松菜やほうれん草のように緑の濃いものはありません。よく見れば黄緑がかった淡い色をしていることに気づくと思います。

 緑色の薄い野菜は、ひ弱な印象をもつかもしれません。しかし、実際には大根は立派に肥料・農薬なしに育っています。

 どうして、こんな物質が植物に発生してしまうのでしょうか?

 その原因は、肥料にあるのです。先に触れたヨーロッパの地下水汚染のように、家畜の糞尿には肥料成分となる窒素がたくさん含まれています。この窒素が植物に吸収されるとき、「硝酸性窒素」として吸収されるのです。この濃度は投入する肥料の「量と質」によって変わります。肥料が何であるかといえば「窒素成分」を軸に作られているものといえます。有機であれ、化学であれ、肥料とは窒素が軸なのです。

 「窒素」は植物にとって成長促進剤にあたります。この窒素は有機肥料にも、化学肥料にも含まれていて、与えれば与えるほど葉の色が濃くなっていきます。
 特に葉もの野菜は窒素を吸い上げて一気に育つ性質があり、また植物が硝酸を成長点に近い葉にためる性質があることに起因しています。この窒素が過剰になると緑が濃くなる性質があります。

 こうしたリスクがあるにも関わらず、肥料を入れる。そこに貫かれている思想は「より多く、より速く、より甘く」を求める、このことに他なりません。すばやく成長させ少しでも多くを収穫し、現金に代える。つまり自然な成長スピードを無視して、経済効率を優先した結果といえます。

 自然栽培に取り組んでいる生産者の方に聞いたのですが、放牧で牛を飼っていたことがあったそうです。牛の生態観察する中で、牛は自分たちが糞をした場所に生える草を、決して食べないことに気づいたそうです。糞は動物性の肥料ですから、そこに生える草の色は当然濃い緑になります。

 緑の濃い草を食べない、このことが意味するものは、硝酸性窒素の危険性を牛たちは本能で知っている。そのようにも考えられます。季節が過ぎ、その場所の草の色がまた自然な黄緑に戻ってくると、牛たちは再び草を食べるそうです。

 「肥料を入れないで育つの?」と感じられる方も多いでしょう。

 しかし、目には見えないけれども、土の中にも空気中にも窒素はたくさん存在しています。 空気の70%を占めるという窒素。空から降る雨にも窒素は充満しています。

 土中の微生物やさまざまな存在の力を借りて、作物は「天然窒素」を、自分の成長に必要な分だけを取り込むのです。自分が生き残るための努力を精一杯するというわけです。

 それよりも、肥料を与えなければ、栄養がなくなるのではという常識を少し疑ってみていただきたいのです。
 肥料学の常識は、肥料を入れれば入れるほど味は落ちるというものです。だから、なるべく肥料は少ない方がいい。しかし、経営を考えたとき、「収穫量」を考えて農家は肥料を使うのです。