出典:市川種苗
人参、パセリ、セロリなどのセリ科。シュンギクやレタスなどのキク科。金魚草、つりがね草、トルコ桔梗などの微細な花種子。
一般的には、これらは土かぶせをしない方がよく芽が出ます。明るいと発芽しやすいとか、暗いと発芽しにくいとか、 小さすぎて薄く土をかぶせることが物理的に困難なことが理由です。
しかし、「水分の確保」という発芽の三要素理論に明らかに矛盾しますよね?だから、土をかぶせないで蒔くためには必ず併用しなければならない別の裏技が必要です。
その裏技の第一は前項で述べた同じ理由でよく押さえつけるということです。第二は(従来ですと籾殻など)光が透けて 通るような通気性のある被覆をすることです。不織布や粗いムシロなどが除去も楽ですしおススメです。 同時に併用したほうが効果的なので、「土をかぶせずに、押さえつけて、被せ物をする」とワンセットでご記憶ください!
種子には硬実といって、種皮が硬く変質した種類があります。苦瓜(ゴーヤ)、オクラ、朝顔、夕顔、ナタ豆などが 家庭菜園で問題となる具体例です。
もともとは環境の変化に耐え抜いて生き残るために進化した結果なのです。しかし、 種皮を割って外へ出ようとする野菜の幼芽にとっては厳しいハードルとなるので、人間にとっては大変迷惑な話なのです。
ゴーヤなどは鳥に食べられて胃液の侵食に耐えながら糞の中に生き残り、種を拡散させようとする DNAの指令があるため、水を含むとまるで靴底のゴム皮のような硬い種皮で保護されています。
水に漬けたぐらいでは ビクともしないほど強力です。でも、どんな風船でも膨らますのには相当な肺活量が必要ですが、針でポンと刺すだけで 簡単にはじけますよね。硬実にとっては傷を付けるという対処法が一番有効なんです。
種の数が少ない場合は、カッターや小刀でも良いですが、爪切りが安全で便利です。 多い場合は粗い砂でゴシゴシやると意外に簡単です。オクラの場合など大変効率よくできます。 カボチャ、カンピョウ、ヘチマ、スイカなども(乾燥させすぎたりして)硬くなった種も傷をつけると芽がでやすくなります。