弘前、板柳でリンゴ止め市

出典:Web東奥

 青森県弘前市の弘果弘前中央青果と板柳町の津軽りんご市場は28日、2024年のリンゴ取引を締めくくる止め市を行った。弘果では24年産は春先の花芽不足などがあったものの、数量は微増となった。他県産リンゴは天候不良などの影響で不調。ミカンなど他の果物の品薄感もあり、県産リンゴの引き合いが強まったため、相場は堅調に推移している。板柳町の津軽りんご市場では、サンふじなど価格が大きく上昇した品種が複数あり、平均単価、金額ともに過去最高値を更新した。

弘果 弘前中央青果

 弘果には買参人約200人、生産者約600人が集まった。この日はサンふじや王林など1万1376箱(1箱20キロ、前年比680箱減)が上場された。

 サンふじの上物は高値1万8360円(前年比15%安)、前年と同額の中値は9720円、安値8640円(同14.3%高)で取引された。

 8~12月のリンゴ取扱数量は前年同期比約3.3%増の386万4509箱。金額は13.8%高の260億114万円で、1箱当たりの単価は10.2%高の6728円だった。

 弘果の會田一男専務によると、昨年の猛暑で今春は花芽が不足。カラマツ(不受精花)発生もあった。開花の頃には強風や乾燥に加え、マメコバチが少なく、結実量が減少した。主力のサンふじに関しては現在、例年より1割ほど収穫量が少ない。しかし肥大と食味はとても良く仕上がっているという。

 會田専務は「昨今の大雪で枝折れや古い木の倒木が心配。来年の収穫に影響する懸念がある」と述べた。

津軽りんご市場

 津軽りんご市場には、買参人約70人と生産者約400人が来場した。この日の入荷量は、前年の止め市より2割程度少ない5320箱(1箱20キロ)。サンふじの上物の高値は1箱1万8360円(前年比6.3%高)となった。

 2024年産の8~12月の取り扱い実績(速報値)は、数量が前年比4.3%減の185万2014箱だった。一方で、1箱当たりの平均単価は6606円(同13.1%高)、金額は122億3522万円(同8.3%高)で、ともに1994年の市場開設以来、最高値を更新した。金額が100億円を超えるのは、16年と23年に続いて3度目。

 平均単価は有袋ふじの8420円(同4.9%高)をはじめ、サンふじ7411円(同35.2%高)、シナノスイート7385円(同9.8%高)などが大きく上昇した。

 同市場の齋藤彰寿取締役部長は「マメコバチの減少や夏の猛暑などが影響して数量は減少したものの、食味はとても良い。価格が大きく上昇した品種もあり、生産者にとって励みになると思う」と話した。