白神乳酸菌 第一弾はパン

出典:東奥日報

 

キハダから乳酸菌

 白神山地に自生する樹木「キハダ」から弘前大学が分離した新規乳酸菌L8菌株を使用した食パンとコッペパンが今月、工藤パン(青森市)から発売された。弘大は昨年、この乳酸菌に肝機能改善作用があるとして、特許を取得している。
 L8菌株は2017年、弘大農学生命科学部の殿内暁夫教授が確認。「白神の森乳酸菌R」と命名した。

 弘大の研究で、この乳酸菌に、肥満によって起こる肝臓の炎症を防ぐ働きがあることが示唆された。腸の炎症を抑える作用も確認されている。弘大は24年6月、乳酸菌の機能や培養法につ いて特許を取得している。
 今回発売されたパンは、乳酸菌のパウダーをパン生地に配合した。コッペパンは商品1個に100億個、食パンは50億個の乳酸菌が含まれているという。パンの売り上げの一部は白神山地の環境保全などに活用される。
 9日、弘大で開かれた記 者発表で、工藤パンの工藤 恭裕会長は「植物由来の乳酸菌入りパンを県内外にP Rし青森県を盛り上げたい」と話した。
 弘大農学生命科学部の前多隼人准教授は「まず多くの人に食べてもらい、お通じが良くなったかなどを聞き取り、乳酸菌の効果について調べたい」と語った。

 弘大とともに商品開発に携 わった「ラビプレ」(弘前市)の三浦和英社長は、第2、第3弾の商品を発表する予定であることを説明した。
 試食会では、弘大生から「食感がもちもちしておいしい」「乳酸菌の効果を意識して今度購入したい」との声が聞かれた。
 価格は、食パンが税別150円(税抜き)、コッペパンが120円(同) 県内のスーパー、コンビニエンスストアなどで購入できる。