出典:Farm-navi
「アスパラは、一度植えたら10年採れる」――そんな話を聞いたことはありませんか?
スーパーではちょっとお高めの野菜ですが、家庭で育てれば、春になるたびにニョキッと芽を出して、毎年収穫を楽しめるという夢のような野菜、それがアスパラガスです。
アスパラガスは、「ほったらかしでも毎年生えてくる野菜」として人気があります。
その理由は、アスパラが多年草(ねんそう)※=一度植えれば数年にわたって生育を続ける植物だからです。
アスパラの地下には「クラウン」と呼ばれる太い根があり、ここに栄養を蓄えることで、冬の間は地上部が枯れても、春になるとまた芽を出して成長します。
特別なお世話をしなくても、環境さえ整っていれば毎年ニョキニョキと芽が伸びてくる――それがアスパラの大きな魅力です。
さらにアスパラは…
- 根が深く張る → 乾燥や少々の雑草にも強い
- 地中で栄養を溜め込む → 春に一気に芽吹く力がある
- 病害虫も比較的少なく、薬剤や手入れがほとんど不要
といった特徴を持っており、手間がかかる野菜とは真逆の“省エネ野菜”ともいえます。
アスパラは太陽が大好きな植物です。
1日を通して日光がしっかり当たる場所を選ぶことで、春の芽吹きがよくなり、株も元気に育ちます。
また、根が深く張るため、水はけの悪い土だと根腐れの原因になることも。
粘土質の土地や湿りがちな場所には、高畝(たかうね)にして植えるか、土壌改良をしてから植え付けるのがおすすめです。
アスパラは植え付けから1年目は収穫せず、株を育てる期間です。
この時期に出てくる芽(=アスパラガス)は、光合成して根に栄養を蓄えるために必要不可欠な存在。
収穫してしまうと、栄養が足りずに株が弱り、翌年から芽が出にくくなってしまいます。
つい食べたくなる気持ちはわかりますが、“1年目は見るだけ”が鉄則。
2年目以降、毎年元気に芽を出してくれるアスパラのための、大事な投資期間です。
アスパラは強い植物ですが、雑草には注意が必要です。
特に春先の若芽は、勢いのある雑草に光や栄養を奪われてしまい、育ちが悪くなってしまうこともあります。
毎日草むしりをするのが難しいという方には、敷きワラや草マルチ、黒マルチなどを使って株元を覆っておくのがおすすめ。
これにより、雑草の発生を抑えるだけでなく、土の乾燥も防げて一石二鳥です。