出典:紀伊民報
和歌山県紀南地方で、特産の梅の主力品種「南高」の収穫が始まった。6月下旬ごろまで続く見込みで、今年の生産量は平年の6割の予想。ひょうの被害を受けた実も多いが、農家は「味は変わらないので、加工を楽しんで」と話している。
JAわかやま紀南地域本部の管内の梅農家数は2151戸で面積は2213ヘクタール。そのうち、南高は1910ヘクタールで栽培されている。南高は大粒で皮が薄く、果肉が厚くて柔らかいのが特徴。
今年は花の時季の天候不良で受粉するミツバチの動きが活発でなかった影響から不作気味で、南高の生産予想量は1万2675トン(前年比123%、平年比62%)。その上、4月中に広範囲でひょうが降り、実に傷が付くなどの被害が出ている。
紀南地域本部では28日から荷受けをし、30日から市場販売が始まった。
田辺市秋津町の那須都男さん(48)は150アールで梅を栽培。28日から収穫を始め、30日も午前5時半から、家族や知人、友人と一緒に丁寧にもぎ取っていた。
那須さんは「平年より実は少なそう。ひょうの被害で傷は付いたが、味は変わらないので、ぜひいろんな加工をして梅仕事を楽しんでほしい」と話した。