シカ食害対策 ソルガムに期待 北海道の酪農家

シカなどの侵入防止への効果

 【鶴居】エゾシカの食害に悩まされる村内の酪農家が本年度、飼料用トウモロコシの代替作物として注目されるイネ科の穀物「ソルガム」の試験栽培を始めた。ソルガムは背丈が3~4メートルに成長し、シカなどの侵入防止への効果が指摘されている。釧路管内でまだ普及は進んでおらず、食害対策効果や収穫量を独自に調べるという。

 ソルガムは温暖な本州以南で栽培されているイネ科の一年草。釧路農業改良普及センターによると背丈が高いため、暗い場所を警戒するシカの侵入を防げる可能性があるという。

 栄養価はトウモロコシに劣るが、牧草並み。収穫量は牧草の約2倍を見込めるため、収益増も期待できるという。一方で、冷涼な道東では生育不良のリスクがある。

 下幌呂地区の松下牧場は2日、飼料畑(85ヘクタール)の1割弱に当たる約6ヘクタールにソルガムを作付けした。同地区の畑などは住宅街に隣接し、ハンターによるシカの駆除ができないのが課題。同牧場の松下善貴さん(42)は「2番草がほとんど食べられてしまう草地があり、食害に悩んでいる」として、ソルガムの効果に期待を寄せる。ソルガムの発芽適温は15度以上とされるため、特に寒さに耐性のある品種を選んだという。

 10月に収穫予定。松下さんは「近年は釧根でも夏に気温が上昇しているので、うまく育ってほしい」と語った。食害対策効果があり相応の収穫量があれば、来年以降に栽培面積を拡大する。

 村農政係の集計によると、エゾシカによる2024年度被害額は推計で約5千万円。担当者は「ハンターの駆除が奏功し、食害は減少傾向にあるが、被害の大きい農家もいる」として、試験栽培の行方に注目している。

 
出典:news47