注目されるミニ白菜、取扱量2倍超の企業も

需要の高まるミニ白菜。

 冬野菜の白菜がおいしい季節。丸ごと食べ切るのにうってつけなのが、一回り小さいミニ白菜だ。近年、生産や流通も盛んになり、生産者も「生でも甘くて、サラダに入れてもおいしい」と味に太鼓判を押す。

「近頃、この辺りは核家族や単身世帯が増えてきたような気がします。その影響か、数回の料理で使い切れるミニ白菜が選ばれるようです」

 こう語るのは、東京都中野区の「自然食糧品店ビーンズ」の山本耕平店長だ。「今季はよく売れていて、大玉の白菜を販売数で超えたような印象すらあります」と言葉を継いだ。

 この店では、寒さが増してくると、大根やネギなどの冬野菜が店頭を彩る。昨年末に訪れると、棚の中央をミニ白菜が陣取り、「1玉で200円」「味に拘(こだわ)り土に拘り」と書かれた宣伝文句が添えられていた。

 山本さんによると、カットせずに販売されているミニ白菜は、2分の1や4分の1サイズなどで売られている大玉の白菜よりも傷みにくい。そのため「大玉1玉の代わりにミニ白菜2、3玉を買う人もいる」という。

「収穫数は白菜の1.4倍超

 全国のスーパーで野菜などの産地直送コーナーを展開する「農業総合研究所」(和歌山市)でもミニ白菜の取扱量が増え、令和7年11月はその2年前の約2.1倍になったという。事業企画課の小山朝英さんは「比較的新しい商材ですが、スーパーでの認知度も高まり、消費者の需要も見込めることから販売拡大が期待できます」と語る。

 生産者側もミニ白菜を育てるメリットを感じている。「サイズが小さい上に、密に植えて育てられるので、白菜と同じ広さの畑でも収穫数は1.4倍超になります」と語るのは埼玉県深谷市で農業を営む60代男性だ。この男性の畑では大玉の白菜が1万7500株ほどできるが、同じ広さの畑で育てたミニ白菜は約2万5000株も収穫できるという。

生育期間の短さもメリット

 白菜より生育期間が短いというのもメリットだ。「(旬の時期の中盤に収穫される)中生(なかて)種の白菜は通常なら80~90日ほどで育ちますが、ここではミニ白菜が60日ほどで成長します。秋の長雨や台風の影響を受けやすい冬野菜の収穫が約20日も早いのは魅力的です」と、農業を営む男性。

 ミニ白菜はビタミンCが豊富。ビタミンCは免疫機能の働きに役立つ栄養素だ。寒くなるにつれて甘さを増すが、気温が0度を下回ると、霜で傷みやすくなるという。

「品種による違いはありますが、一般的に白菜より繊維が細いので、嚙(か)みやすいんです。生のままでも、しなやかな甘さを実感できるので、サラダに入れても存在感を発揮しますよ」とも語る。葉が薄いため、漬物でも煮物でも早めに味がしみ込みやすいが、煮崩れしやすい一面もあり、鍋料理などでは火加減や調理時間に気を付けたい。食べ方のバリエーションが広がれば、無駄なく食べ切ることができそうだ。

 
出典:産経新聞